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【社説】金正日の訪中、「天安艦外交」能力を問うている

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が5日間の中国訪問を終え、昨日、北朝鮮に戻った。専用列車と最高級乗用車で金委員長が丹東から北京まで中国北東部を移動する間、韓国政府はただ眺めているしかなかった。金委員長が鴨緑江(アムノッカン)を越える3日前、上海で韓中首脳会談が開かれたが、中国は韓国に何も伝えなかった。海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没のため国民感情が激昂しているこの時期に金委員長を招待したことに対し、中国は「主権に属する内政問題」と反論した。朝中間の血盟的な特殊関係の前で、主に経済に基づく韓中関係の現実的な限界を痛感した5日間だった。

中国国営新華通信の報道の前に中国政府が韓国側に金委員長の訪中結果を知らせた点がまだ幸いだと感じるしかないのが、韓中関係の現状だ。金委員長の訪中で明らかになったのは、「韓中戦略的協力パートナー関係」に対するわれわれの一方的な期待はあまりにも純粋すぎるという点だ。国際的な規範に基づいた合理的な説得で中国を韓国側に引き込めると考えるなら、それは誤算かもしれない。

金委員長の訪中で「天安」と6カ国協議の方程式はよりいっそう複雑になった。「天安」問題が本格的な外交の次元へと移ったからだ。「天安」事故の北朝鮮関与説について、中国外務省報道官は「メディアの報道であり、推測にすぎない」と主張した。もちろん調査が終わっていない現段階での言葉だが、北朝鮮の攻撃という決定的な証拠を提示できない限り、‘天安外交’で中国の協力を引き出すのは難しいと考えなければならない。6カ国協議に関し、金委員長は中国の胡錦濤国家主席に「北朝鮮は関係当事国とともに6カ国協議の再開のための有利な条件を醸成することを望む」と明らかにした。6カ国協議復帰の意思表示とは見なし難いが、中国がこれを根拠に6カ国協議再開に本格的に乗り出す場合、朝中と韓米間の対立構図が形成される可能性もある。


米国は6カ国協議の再開よりも「天安」調査を優先するという立場だ。しかし民軍合同調査団が北朝鮮の攻撃という結論を出しながらも、これを裏付ける「スモーキングガン(決定的証拠)」を提示できず事態が長期化する場合、話が変わる。「天安」が北東アジアの問題なら、北朝鮮の核は「核のない世界」を目指すオバマ政権にとってグローバル問題だ。米国が「天安」と6カ国協議の分離論に同調する可能性に備える必要があるということだ。

金委員長の訪中で外交力の重要性はさらに強まったが、果たしてこの政府がこうした外交力を備えているかは疑問だ。「天安」事件について科学的かつ客観的に調査すると明らかにした後、これに‘注目’すると胡主席が述べたのを‘評価’すると我田引水し、大事な時期に駐中韓国大使は任地を空け、駐韓中国大使を呼んで‘訓戒’する姿を見ると、きちんと外交をしているのかどうか心配だ。‘天安外交’という複雑な高次方程式をこの政府が解けるのか、金委員長の訪中は問うている。



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