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【グローバルアイ】引田天功氏が見た金正日

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 日本では北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の名前3文字が出てくれば誰でも関心を持つ。喜び組がどうだ、後継者がどうだ、「テポドン」ミサイルがいつまた発射されるかなどのニュースが絶えずメディアを賑わしている。このように大衆の関心を引く金正日だが、いつもベールに包まれている。朝鮮中央通信が公開する写真とニュースを通してのみ金正日の動きが伝えられる。最も大きな関心を引きながらも、その実体が分からないというのが現実だ。

その金正日を最も近くで見てきた人物といわれる日本人に先日会った。世界的な女性奇術師の引田天功氏だ。箱の中に入り、数十本の刃物を刺されても生きて帰ってくる引田氏のショー「マジックイリュージョン」で‘脱出マジックの女王’になった人物だ。女性では唯一マジックアカデミー賞を受賞しており、デビッド・カッパーフィールドらとともに世界3大奇術師に挙げられる。韓国でも05年にウォーカーヒルで公演している。

こうした知名度をもとに世界各国の権力者と親しい関係を築いてきた引田氏は、金正日ともマジックショーで縁が生じた。最初の北朝鮮訪問公演は98年4月だった。その前からずっと金正日が引田氏に人を送りながら執拗に要請し、ついに実現した。この時、引田氏は金正日をかなり長い時間、近くで見ることができたという。引田氏が証言する金正日の人物評の一部を紹介する。


「普通の人とは違う。急に怒ったり、笑ったり、静かだったのに突然泣いたり、大笑いしたりしていた。非常に大きな声で怒鳴ったりもした。話し方が少し遅いので聞き取りやすい。朝鮮語(韓国語)だけでなく、英語・ロシア語・日本語を混ぜて話す。それを理解できなければ大変だ。すぐに怒るからだ。ある日、私に『天功さん、お花がまんまるです』と言ったが、何を言っているのか分からなかった。‘まんまる’は日本語では丸いという意味だが、突然何の話をしているのかと思ったら、花が満開したということだった。それで外を見ると、名前の知らない黄色い花が満開していた」。

引田氏は記者にこのように自分が見た金正日を長い時間にわたって話してくれた。信じ難い内容もあり、‘追及’に近い確認質問攻勢もしたが、引田氏は北朝鮮の高位層の名前や職責を次々と挙げながら金正日体制を証言した。引田氏は00年春にまた北朝鮮を訪問した。こうした機会が重なり、金正日を外部世界の誰よりも近くで目にすることができた。02年に北朝鮮を訪問した小泉純一郎元首相に‘特別課外授業’をするほど日本最高の北朝鮮通に選ばれる。さらに引田氏は‘金正日の恋人’と呼ばれるようになった。それほど金正日をよく知っているという意味だ。

しかしその引田氏も金正日の行動は予測が不可能だと言った。海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件の有力な犯人として注目されている微妙な時点に中国を訪問したのも‘金正日らしい’行動に違いない。中国では腎臓透析をしながら移動しているという声も聞こえてくる。それだけ切迫した状況ということだ。急変するグローバル時代に、こうしたベールの中の突出行動がどれだけ続くか疑問だ。

キム・ドンホ東京特派員



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