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国内アーリーアダプター(Early Adopter)がこのごろかなり熱をあげる新商品がある。アイフォーンに続きアップルが出したタブレットコンピューターアイパッドだ。まだ国内では正式に発売されないが、すでにオンラインではいろいろな手段を通じてアイパッドを購入した人々の自慢が花盛りだ。
3日、米国で発売されたアイパッドの販売量は初日だけで30万台、現在80万台を超えた。今月末に予定された韓国内発売は、米国国内販売物量が不足するという理由でひと月後に延期された。もちろんアイパッドがよく売れるということそのものが重要なことではない。問題はその次だ。すでにアイパッドが火を付けたタブレットコンピューター熱風がコンテンツ市場の方向を変えるという分析が相次いで出ている。
米国の有名ITコラムニストのジェフ・ジャビス(Jeff Jarvis)を含む多くの専門家たちはアイフォーンとアイパッドの人気は結局コンテンツ生産を阻害して、インターネットユーザーをまた少数のユーザーと多数の消費者構造に戻すと見込んだ。アップル製品の閉鎖性を知る人々ならうなずく。それにアイフォーンやアイパッドでは140字前後のツイッター入力も大変だ。とにかくこうした予測は最近までオンライン世界を支配した「ウェブ2.0」理論の根幹である「コンテンツ生産者と消費者の間の壁が崩れる」という議題を正面から否定するのだ。
これまでひっそりと世の中の変化を嘆いた既存のオールドメディアには本当に興味深い話だ。すでに多くの企業とメディアがアイパッドに代表される新しいモバイル機器を通じたコンテンツ市場を先行獲得するために争っている。新聞や放送はもちろん、音楽、電子本(e-book)、映像コンテンツ市場が揺らいでいる。もちろんまだこうした変化を感知することができない人々も多い。
「韓非子」では殷の紂王が象牙で御箸を作ると彼の叔父さんだった賢人箕子が官職を捨てて隠れた事情を紹介している。箕子は「象牙の御箸ではどんぶり飯が食べられない。それで金銀と陶磁器で器を作れば平凡な食べ物を盛ることができない。こうして格を合わせてみると結局、贅沢がはびこって民心が去り、国が亡びてしまう」と見通したのだ。この言葉をあざ笑った重臣たちは又の日、周の武王のクーデターで命を失った。変化の兆しに対する早い把握と対処は生死存亡を分けることもあるという教訓だ。
ソン・ウォンソプJES記者
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