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【社説】金剛山南側資産の没収は北朝鮮の自害行為だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 北朝鮮が私たちの忍耐を試している。海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没や偽装スパイ南派事件で南北関係の緊張が高まっている中、昨日、北朝鮮はもう一つの超強硬姿勢で韓国側を圧迫し始めた。金剛山(クムガンサン)観光地区内にある韓国政府所有の不動産5件を没収し、民間所有の不動産を全面凍結するという措置を取った。民間側の管理職員も全員追放すると明らかにした。これで98年に始まった金剛山観光が12年目にして座礁の危機を迎えた。忍耐が限界に達すれば爆発するものだ。合意と契約を無視した北朝鮮の一方的な措置は、結局ブーメランになって北朝鮮に返ってくる公算が大きい。

昨日北朝鮮が没収した不動産は、550億ウォン(約50億円)を投入して建設した離散家族面会所をはじめ、文化会館・温泉場・免税店など韓国政府と観光公社の所有資産だ。今月初め、これら資産を凍結したのに続き、没収までしたのだ。また北朝鮮は現代峨山(ヒョンデ・アサン)が所有する金剛山ホテル・外金剛ホテルなど2263億ウォンの資産とエマーソンパシフィックが投資したゴルフ場、イルヨンインベストメント保有のファミリービーチホテルなど民間36社の資産3200億ウォン分の資産を凍結すると発表した。北朝鮮は「(今回の措置で)南朝鮮人民の金剛山観光が永遠に断たれることになった」と明らかにし、凍結した民間資産もすぐに没収する可能性があることを予告した。韓国側としてはとうてい受け入れられないとんでもない措置だ。

08年7月以降、金剛山観光が中断されたのは、韓国人観光客銃殺事件のためだ。真相調査と訪問客の身辺安全対策がなければ観光を再開できないというのが政府の断固たる立場だ。国民の安全を最優先にすべき政府としては当然の要求にすぎない。しかし北朝鮮はこれに対する誠意ある措置は取らず、無条件の観光再開を要求してきた。これに応じなかったことで、観光中断にともなう被害の補償だとして韓国政府・民間の財産を没収または凍結するというむやみな行動で出たのだ。


政府と関連会社はまず北朝鮮の一方的な措置が明白な合意・契約違反であるため、絶対に受け入れられないという立場をはっきりと示さなければならない。また関連国際機構に提訴したり仲裁を要請するなど、国際法的な対応策も講じる必要がある。「天安」事件の調査の結果しだいでは、南北関係の全面的な見直しも避けられない。交流・協力レベルで維持されている南北交易を含め、南北間のすべての関係が検討対象に含まれるだろう。

経済的破綻の危機に直面している北朝鮮としては一銭が惜しいはずだ。第2、第3の開城(ケソン)工業団地を造成し、外資の誘致に全力を注いでいるのもそのためだろう。しかし契約に基づいて投資した資産を一方的に没収・凍結するような国に投資する馬鹿は世界にいない。こうした点で北朝鮮の今回の措置は自害行為にほかならない。最小限の常識が残っているのなら、北朝鮮は今回の措置を直ちに撤回すべきだ。



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