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【噴水台】グリーンシュート

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



来月6日に総選挙を控えた英国。 13年ぶりの政権交代を狙う保守党は印象的なポスターを掲げた。 大きな足の下にわずかに見えるほどの新芽が怯えている絵だ。 足の正体は税金と負債であり、新芽は経済回復の信号だ。 執権労働党の財政拡大政策が、息を吹き返し始めた経済を踏みつぶすというメッセージだ。

小さな芽は保守党と関係がある。 経済的な意味として最初に保守党の人物がこの言葉を使ったからだ。 1992年4月の総選挙で執権保守党は敗色が濃厚だった。 91年秋から当時の財務相ノーマン・ラモントはこうした言葉で雰囲気を盛り上げようとした。 「経済回復のグリーンシュートが出てきている」。現実を把握していない声だという非難があふれたが、保守党は予想を覆して勝利した。


しかし楽観論に安住した保守党はその年9月に屈辱を味わう。 ファンドマネジャーのジョージ・ソロスが英ポンドを無差別攻撃し、問題はないと話していた英国政府はお手上げしてしまったのだ。 ラモント財務相は辞任する。 記者らは不幸の種になったグリーンシュート発言を後悔しているかと尋ねた。 彼はフランスの歌手エディット・ピアフのシャンソンのタイトルで答弁に代えた。 「何も後悔していない(Je ne regrette rien)」。

この場面はさまざまなコメディーの素材になった。 一部のエコノミストは「財務相の退任の消息がまさに経済の芽」とにんまりした。 豊かな果実を期待していた有権者は保守党に背を向けた。 党の改革にまい進した労働党は97年に執権し、これまで政権を握っている。

グリーンシュートという言葉が再登場したのは昨年からだ。 ベン・バーナンキ米国連邦準備理事会(FRB)議長が「グリーンシュートはすでにはっきりと表れている」と明らかにしながらだ。 ‘悲観論の大王’ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授は耐え難い表情で直撃弾を飛ばした。 「それはグリーンシュートではなく‘イエローウィーズ(yellow weeds、望みのない雑草)」だ。

見事な言葉だったが、いつも後味がすっきりしなかったグリーンシュート。 今月初めに就任して市場の耳目を集めた金仲秀(キム・ジュンス)韓国銀行(韓銀)総裁が16日、これをまた掘り返した。 「最近、米国でグリーンシュートの信号が出てきているという意見が増えている」。真意は世界経済の芽が出始めたばかりなので‘低金利’の温床でもう少し育てようという意味ではないのだろうか。 何かあるのだろうが、その深い意味をとらえるのは実に難しい。



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