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1941年12月、日本軍が真珠湾を攻撃した。米国民の間には「米軍用機が1000機以上撃墜された」といった混乱させるうわさが広まった。フランクリン・ルーズベルト大統領が鎮火に出た。「真珠湾攻撃で米軍2340人が死亡し、940人が負傷した。真珠湾に配置された軍艦のうち使用不可なほど破壊されたのはたったの3隻です。我々が1000機以上の軍用機を失ったという話は事実無根です。日本は自分たちが我が航空機をどれだけ破壊したのか分からず、私も彼らには言いません。ただ、今まで我々が破壊した日本軍用機数の方がそれよりもっと多いということだけは申し上げることができます」
彼は「皆さんは聞いたり読んだりするすべての情報を無条件に信じるな。まず確認しなさい」とも呼びかけた。うわさが組職構成員たちの士気を落として組職をむしばむ暗的存在になる可能性があることをよく知っていたわけだ。国家危機の状況でリーダーがルーマーとどう対立しなければならないか手本になるに値する。ルーマーがあふれるインターネット時代を生きる私たちにも金科玉条であるのはもちろんで。
ルーマーはとかげしっぽのようだ。切ればまたできる。たびたび罪のない人を捕まえたりする。私たちはどうしてルーマーを真に受けるのか。キャス・サンスティン・ハーバード大学教授は著書「ルーマー」(2009年)でこれを「社会的滝効果」と説明した。私たちは判断を下す時、他人の考えと行動に頼ろうとする傾向を見せる。それで自分が知っている大部分の人があるルーマーを信じれば、いつのまにか従って信じるようになる。2つ目の要因は「集団極端化」だ。同じ考えを持った人々が集まって話し合ってみると、以前よりずっと極端な考えを持つようになる。といえども自分なりに合理的だと思うとは、いたわしいことだ。そういえばブログや掲示板、書き込みなどを通じて拡大再生産されるルーマーの電波様相を思い浮かべてみよ。収賄容疑で起訴された韓明淑(ハン・ミョンスク)元総理は1審裁判で無罪判決を受けた。しかし捜査過程で流れたさまざまな「未確認情報」は拾いいれる道がない。
最近、天安艦事故関連のさまざまな説が乱れている。野党院内代表が生存兵士らの記者会見をめぐり「どこか示し合わせたようだ」と言ったのは中でも圧巻だ。サンスティンはルーマーが生ずる理由について「ある集団が無惨なことにあえば構成員たちは幾多の推測を通じて怒りと非難を向けられる脱出口を探す」と言った。しかし脱出口もいいが、そんなとんでもない疑いをかけるには確認が先なのではないか。
キ・ソンミン文化スポーツ部記者
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