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へムン僧侶は「仏の真身舎利と舍利具は信仰の対象であるためお金で売買する性質のものではない。お金を支払って買い取ったからといって所有権を取得したといえない」という論理で美術館側を説得し、舍利の返還について合意した。しかし文化財庁は「舍利だけ返してもらうのは悪い先例を残す可能性があるため、舍利具も同時に返してもらう必要がある」として拒否している。
文化連帯はフランス国立図書館が所蔵している外奎章閣図書を取り戻す運動を繰り広げている。丙寅洋擾(ビョンイニャンヨ)当時に略奪された文化財だ。1992年の韓仏首脳会談で返還が約束されたが、18年が過ぎた現在まで実現していない。
「利川郷校五層石塔」も収奪された文化財に挙げられる。京畿道利川(イチョン)の郷校の前にあったこの石塔は、1918年に朝鮮総督府の形式的な承認手続きを踏んで東京に搬出され、現在、聚古館という私設博物館に置かれている。
小説家の全光鏞(チョン・グァンヨン、1919-88)の短編「コピタンリ」(1962年)には、韓国人から文化財をわいろで受け取る「ブラウン」という米国人外交官が登場する。これは「ヘンダーソン」という実存人物をモデルに描いた作品だ。
ハーバード大アジア博物館のアーサー・サックラー・ミュージアムに所蔵された「ヘンダーソン・コレクション」のうち陶磁器150余点は世界最高水準とされる。略奪文化財ではないが、文化財の搬出が自由でなかった時期だったため、不法かどうかをめぐり論議を呼んできた。
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海外流出文化財の半分以上は日本が所有(1)
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