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「朝鮮民族は自力で近代化できない」。日本の啓蒙思想家・福沢諭吉の妄言だ。 福沢は日本貨幣1万円札の主人公であり、慶応義塾の設立者だ。 金玉均(キム・オッキュン)・朴泳孝(パク・ヨンヒョ)・兪吉濬(ユ・キルジュン)ら開化派の精神的・物質的な後援者でもあった。 1884年に甲申政変が失敗すると、「脱亜論」を主張して征韓論の論理を提供する。
「10人に9人は白い服を着て、男は帽子をかぶっている」。1901年、米国人バートン・ホームズの目に映った韓国の姿だ。 ホームズは日本の侵略を「まげと煙管を切った」と例えた。 西欧に映った「白衣民族」は、白い服を着て、まげをして、笠をかぶり、煙管をくわえた単調と遅鈍だった。 解放と韓国戦争(1950-53)の渦中、ロンドンタイムズは「韓国の民主主義はごみ箱でバラが咲くことを望むようなものだ」と表現した。
しかし1986年、フランスの文明批評家ギ・ソルマン氏は「新国富論」で、韓国の飛躍的な発展に驚く。 「74の後進国のうち60位だったが、25年で9位に急浮上した」ということだ。 それでもまだ後進国というニュアンスだ。
その英国と日本の新聞が最近、われ先にと「韓国に学ぼう」と強調している。 フィナンシャルタイムズは「韓国はもう弱者(underdog)ではない」というコラムを載せた。 「人口はインドの20分の1人だが、英国よりも多くの商品を輸出する」とうらやむ。 1960年代はアフリカ・サハラ水準だったが、今では英国の間近にまで迫っていると伝えた。 日本経済新聞は社説で「韓国企業に学ぼう」とまで書いている。
バンクーバー五輪がきっかけだ。 スポーツ世界新記録に目覚ましい経済発展がオーバーラップしたのだ。 日本スポーツ界も「他の選手もキム・ヨナの精神力を学べ」「根性不足と景気沈滞が‘ノーゴールド’の原因だ」としながら、早くもソチ五輪に向かっている。 来週には泰陵(テルン)選手村もベンチマーキングする。
誇りを感じるが、だからといって「もう世界一流」という浪漫的な考えは禁物。 そういえば、「浪漫」は福沢諭吉がフランス語のロマン(roman)を日本の発音「ろうまん(浪漫)」に翻訳したものだ。 福沢は「自由」という言葉も作ったが、かつて自由の代わりに「天下御免」を考慮した。 そうなっていれば、私たちは自由主義を天下御免主義とでも言っていただろうか。
韓国はまだ英国や日本から学ぶことが多い。 両国のように‘頂点’を経験したこともない。 「ハングリーであれ(stay hungry)!」。最高を追求するスティーブ・ジョブズの成功モメンタムだ。 私たちはまだ空腹だ。
朴鍾権(パク・ジョングォン)論説委員
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