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【取材日記】国内市場を失えば世界市場はつかめない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「輸出車には基本の安全装置、国内車にはない?」という記事について読者が多くの意見を送ってきた。「まさかと思っていたが、国内自動車会社が国内の消費者を逆差別しているということか」という反応がほとんどだ。

取材の過程で現代・起亜(ヒョンデ・キア)車側は「輸出車の‘アドバンスドエアバッグ’は‘一般型エアバッグ’より危険とも考えられ、国内車には設置しなかった」という理解に苦しむ釈明をした。国内では安全装置規定が米国ほど強くないため先端装置を付けなかった、という釈明も納得しがたい。規定がなくても安全な装置を設置するのが正しいのではないだろうか。

ある読者は電子メールで「各種安全装置が基本的に搭載されている輸出車が海外の安全テストで‘5ツ星’を受けたという広告は、こういう装置が付いていない国内車を買うしかない国内消費者を惑わす誇大広告だ」とし「企業が自ら改善する考えがないのなら政府が安全装置を強化する必要がある」と主張した。


最近はリコール問題に苦しんでいるが、日本のトヨタ自動車が世界1位になった根本には内需の40%を確保した「国内シェア」があった。内需で安定した利益基盤を確保した後、海外で成功を収めたのだ。トヨタにトップの座を奪われるまで80年間にわたり世界1位を守ってきた米国のGMが苦境に立たされたのも、米国内の消費者が背を向けたからだ。

現代・起亜車は昨年2兆ウォン(約1600億円)の営業利益を出した。このうちの7割が内需から発生した。国内車の価格が高いうえ、利益が多い高級車の比率が大きいからだ。この10年間シェアが75%と、国内を基盤に驚くほどの成長を繰り返してきた。日本企業よりも先に中国・インド市場で躍進した。昨年「グローバルトップ5」に入り、今後の世界市場はトヨタ、フォルクスワーゲン、現代・起亜車が占めるという予測もある。

問題は国内での態度だ。現代・起亜車が「国内に関連法規がない」という理由で輸出車を及ばない安全装置を国内車に採用すれば、消費者は失望するしかない。これまで国益を考えながら国産車を購入してきた消費者が背を向ける可能性もある。すでに国内では輸入車が増え、内需市場の6%に達している。その間、国産車の価格は大きく値上がりし、日本車と価格面で差がほとんどなくなった。国内市場を失って世界を制覇したグローバル企業はないというのが自動車100年史の教訓だ。

キム・テジン経済部門記者



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