警察庁外事局は、イスラム武装勢力「タリバン」との関係が疑われるパキスタン人A(31)が国内で「ジハード」(聖戦)を扇動したという情報提供を入手し、調査を行っていると22日、明らかにした。Aは兄の名前で旅券を作り、03-08年に17回も国内を出入りした容疑(出入国管理法違反)で警察に逮捕された。
警察によると、Aは03年から大邱(テグ)のイスラム寺院でイマム(聖職者)として活動し、イスラム圏国家出身の留学生にジハードを称賛する説教をしたということだ。警察は、Aが国内の米軍基地を偵察してパキスタンのタリバン指導者に報告し、タリバン側に麻薬原料物質を密輸出したという情報についても確認作業を始めている。警察はAがイスラム国際送金組織ハワラとも関係があるという情報を確保し、これを追及している。
一方、法務部は「Aが08年1月に大邱出入国管理事務所に提出した本人の死亡証明書を確認するため、駐韓パキスタン大使館側に問い合わせをしたが、大使館側が事実だと明らかにしたため、Aの不法出入国を防げなかった」と釈明した。
法務部の関係者は「指紋確認制度がない限り、他人の名前の旅券を摘発するのは難しい」と説明した。法務部は入国外国人を対象に指紋確認制度を導入する出入国管理法改正案を昨年11月に国会に提出している。
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