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日本の山形県。サクランボ、リンゴなどの果物と農産物生産量が日本でいちばん多い農村地域だ。この地域には韓国から嫁いだ女性2000人が住んでいる。山形県が1980年代末から農村の独身男性の結婚運動を推進させた結果だった。山形でキムチ事業を始め、東京など全国展開するキム・メヨンさん(日本名:阿部梅子、49)もそうして日本に定着した。ソウルで会社生活をし、先に日本に嫁いだ友達の紹介で5歳年上の夫とソウルで見合いをし、現地に渡ったのは90年。30歳の娘が単身で海の向こうに嫁ぐと言ったら心配されることも多かった。しかし冒険心が強く、楽天的な性格で彼女はまったく不安に思わなかった。
嫁ぎ先の家族たちは村の韓国人花嫁1号のキムさんを温かく迎えた。専業主婦のキムさんがキムチ事業を始めたきっかけは、地方自治体が実施した料理大会だった。山形産のワインを利用した料理を披露しなければならない大会で、キムさんはワインに漬け込んだ韓国カルビチムで最優秀賞を受賞した。その後、町内の人々を相手にキムチ講習を始め、96年には自分の名前を取った「うめちゃんキムチ」というブランドで事業を始めた。
2000年代に入り、日本列島を覆った韓流と韓食ブームで彼女の事業は勢いに乗った。韓服で取引先を訪ね、根強く取引先を確保し、日本人たちの口に合うキムチを開発したおかげで今は東京の有名スーパーチェーン78店鋪に納品するほど会社規模が大きくなった。年間売上額は約1億円。同じ村に婚いだ韓国人ら25人が一緒にキムチを作る。山形で食堂を開き、大型スーパーの軽食コーナーにも韓食メニューを出している。昨年は東京に「焼肉うめちゃん」を開いた。地域で韓食と韓国文化を知らせる活動も積極的だ。地方自治体が開く韓食料理講座を10年務めている。NHKカルチャーセンターでも韓国文化を教える講義をしている。東京を含め日本各地で開かれる山形県関連祭りや紹介イベントにも欠かさず参加し、キムチなど韓国の食べ物を展示している。
キムチの広報で最近、東京を訪ねた彼女は「韓国料理ほど真心のこもった食べ物はない」とし「料理講習などで韓国料理を直接作った日本人たちは、韓国料理にはまってしまう」と話す。今年で結婚20年目を迎えるキムさんには、今年大学に入る息子と高校に進学する娘がいる。彼女はキムチ事業を舅姑と夫に回した。「外国人の嫁に対する偏見なく愛で迎えてくれた家族たちがいたから頑張って生きていこうと思った」と話した。先日、彼女は山形県の韓日親善協会理事に任命された。
「子どもを生み、育てて家族の縁を大事にすること、その次は私の祖国と日本のためにできることを見つけなければならないのではないでしょうか」韓日家庭を築いた彼女の最大の願いはいちばん近い国、韓国と日本が対立することなく、一緒に歩んでいくことだ。
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