「この場面を信じられますか?」。14日(日本時間)ショートトラック男子1500メートル決勝戦を中継した米NBC放送の解説者はこの言葉を何度も繰り返した。
決勝に進出した7人の選手のうち韓国選手はソン・シベク、イ・ジョンス、イ・ホソクの3人だった。韓国選手は米国(2人)とカナダ・中国選手を牽制しながら12周をうまく回ったが、最後の半周を残して信じ難いことが起きた。
金・銀・銅メダル席巻まで残り20メートルの地点で2位のソン・シベクとイ・ホソクがぶつかって転倒した。イ・ジョンスは無事に決勝ラインを1位で通過したが、ソン・シベクは5位になり、イ・ホソクは失格になった。
◇序盤の衝突が禍根に=イ・ホソクはショートトラック1500メートルの準決勝で、外側からライバルを抜いて一気にトップに出た。そのイ・ホソクが決勝では内側を狙った。
なぜ安全な外側ではなく内側の追い越しを選択したのか。競技の序盤、イ・ホソクとソン・シベクのスケートがぶつかったのが禍根だった。
イ・ホソクは競技の後、家族に「決勝の最初のコースを回っている途中でスケートの刃が曲がった。それで外側を回るのは不可能だった」と明らかにした。
こうした状況で決勝の終盤2位を走っていたソン・シベクが外側に大きく膨らんだ。その瞬間、イ・ホソクはソン・シベクが外側の走路を選択すると予想して内側に食い込んだ。しかしこれはイ・ホソクの誤った判断で、結果は最悪の状況につながった。
◇わだかまりはない=国民は「イ・ホソクが欲を出し過ぎた」という声を出している。しかし代表チームの内部では「失敗は早く忘れよう」とお互い励まし合っている。
イ・ホソクは15日の練習後、観客席に座っていたソン・シベクの母ホン・ギョンヒさんのところへ行って謝った。ホンさんは「すべて忘れて次の競技に専念してほしい」と励ました。
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