|
日本の沖縄県、石垣リゾート・グランヴィリオホテル。日本プロ野球千葉ロッテマリーンズの宿所で金泰均(キム・テギュン、28)に会った。2月1日、スプリングキャンプ開始前だった。緊張していたが、金泰均は記者を喜んで迎えてくれた。「ラーメン買って来ました?」1メートル84センチ、115キロ巨体が無邪気に笑った。夕食のステーキだけでは量が足りなかったようだ。彼は「てのひらの半分ほどでした。それを食べて力を出せますか。もう1皿頼んだらみんなに笑われました」
翌日、チーム訓練が始まるやいなや、あちこちから笑いが聞こえた。新チームの訓練プログラムを知らない金泰均は、ただ仲間たちをまねるのに忙しかった。日本の記者は「金泰均を見ているだけで笑いが出る。ところであんな体でちゃんと走れるのか心配だ」と言った。
日本で金泰均は「愉快な巨人」だ。先月5日、日本に到着したときから話題になった。チームメイトの井口資仁とともにランニングをした後、ストレッチングをするのにグラウンドに横になると日本のメディアは「金泰均が15分で気絶した」と報道した。彼の第一印象は太っていて怠けている選手だったようだ。失礼だなと思う記事はそこから出た。
日本人は体が大きい韓国人に対して好奇心を持つ。2005年、異種格闘技でデビューしたチェ・ホンマン(2メートル16センチ)に感嘆した。「19文キック」という誇張された見出しで彼を紹介した。日本野球代表チームが昨年第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)で、左投手ボン・ジュングン(1メートル88センチ)にやられたときは「巨体から出た球にお手上げだった」と表現した。
日本人たちは金泰均の巨体に驚きと不安が混ざった見方をしている。韓日戦で韓国が勝てば日本人たちは「体で負けた」とため息をついた。太っている金泰均が本塁打を打てば同じような反応が出ると思われるが、不振だったら彼の過体重を叩くだろう。
体重の話にさえならなければ金泰均は日本でも人気満点だ。親近感のある彼は韓国で多くのニックネームをつけてもらいながら愛されてきた。「無等山爆撃機」(宣銅烈)、「国民打者」(李承燁)などはマスコミがつけたニックネームだが、500個を超す金泰均のニックネームはネチズンがつけた。
金泰均は下手な日本語で記者たちに先に冗談を言う。韓国では取材陣と楽に話したが、硬い日本の取材慣行には不慣れだったようだ。「日本でも体を張ってギャグを見せたい」「がっかりするから私の打撃に期待するな」金泰均が投げる言葉に日本の記者たちはわっと笑う。スポーツ報知の記者は「成績がついてきたら金泰均は千葉ロッテいちばんの人気選手になる」と言いながら笑った。
取材を終えて帰って来る際、金泰均が日本でも自分の実力を出しきれると信じるようになった。戦地の軍人のような表情だった若い時代の朴賛浩(パク・チャンホ)、韓国野球のプライドを1人で担ったようだった李承燁(イ・スンヨプ)のようにストレスに先に負けるようには見えなかった。宿所で会った金泰均はこう言った。「だめなら2軍に行けばいいでしょう。自分のスタイルで気楽に楽しく野球をするんです。ダイエット? 自分からわざわざダイエットするように見えますか」
キム・シク記者
この記事を読んで…