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「子をよく産む若いメスのゾウを確保せよ」--。
韓国外交界にメスのゾウ非常事態になった。国内動物園に生息するメスのゾウは大部分閉経期が去った30代以上の「おばあさんゾウ」だ。子どもが産める若いメスのゾウがやせていき、このままではいなくなってしまう状況だ。
実際に韓国動物園水族館協会に登録された国内ゾウの数は9頭。ソウル子ども大公園には1頭、果川ソウル大公園には28歳のオスとメスのゾウ、45歳メスのゾウ1頭がいる。45歳のゾウは妊娠が不可能で、28歳のゾウも妊娠はできない。
海外で何頭買って来れば容易に解決される問題だが、決して簡単ではないのだ。絶滅危機に処した動植物交易に関する国際協約(CITES)により、ゾウは保護対象動物に規定され、国家間売買が不可能だ。この協約はまた1989年から象牙の取り引きを禁止している。結局、お金を与えて買って来る案が事実上、不可能なのだ。ソウル大公園動物運営課イ・ヒョンホ主任は「子どもたちに最も愛される動物であるゾウが、動物園から消えてはいけない」とし「これまで多くの方面で外国からゾウを持ちこもうと労力したが容易ではない」と述べた。
これにより、外交通商部までゾウ確保を始めることになったのだ。しかしインドとタイを含むゾウの大量保有国はゾウ保護に頑固たる立場を固守し、寄贈問題を論議もできない。韓国政府が現在、唯一希望をかけている所はカンボジア。ゾウを相対的に多く保有している上、韓国政府との関係が円満で最後の希望をかけられる国だ。すなわちアジアで経済事情がよくないカンボジアに各種援助を支援し、それによる誠意の表示を待つという腹案だ。
しかしこれも言葉のように易しくはなく、韓国外交官をいらだてている。ある外交官は「寄贈されるメスのゾウの年齢をめぐり異見があって、この問題も解決しなければならない」とし「外交実務当局者間に交渉が妥結されることができなければ、ややもすると首脳会談の議題として“メスのゾウ寄贈”問題が挙がる事態がある」と懸念した。
実際にカンボジアは20歳前後のメスのゾウを寄贈する意向をほのめかしたという。しかし韓国政府は「可能なら、これから旺盛な出産を期待できる5歳前後のメスのゾウを寄贈してほしい」と提議しなおした状態だ。
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