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【噴水台】スマートフォン恐怖症

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



イノシシの牙のように尖った歯に髪の毛は巻かれたヘビの形をしたメドゥーサ。そのメドゥーサを直接見た人は石に変わる。しかし英雄ペルセウスは鏡のように光を出した青銅の盾にメドゥーサを照らし、首を取ることに成功する。石に変わった多くの人々とペルセウスの違いは何だったろうか。

「米国ドラマで科学を見る」を書いたイ・ウンヒ科学著述家は「恐怖」という感情で説明する。気持ちが悪くグロテスクなメドゥーサを正面から見た人は、ひどい恐怖に出くわす。その瞬間、交感神経の刺激と神経伝達物質であるエピネフリンの分泌によって心拍動が速くなり、血圧は下がって失心状態になる。そこに「石のように」固くて動けない状況が“石に変わった”という表現に誇張されたのだろうという話だ。ペルセウスがメドゥーサを始末できたのは、こうした「恐怖反応」を避けられたおかげだ。


現代人はペルセウスとは違う。恐怖症(Phobia)の洪水の中から脱け出しやすくない。社会が複雑で不安要因がそれだけ多くなったせいだ。各種事故や疾病、急激な環境変化が絶えず恐怖症を刺激する。我が国だけでも成人10人のうち6人が特定恐怖症を持っているという調査結果があるほどだ。高所恐怖症、対人恐怖症、広場恐怖症、飛行恐怖症、動物恐怖症、閉所恐怖症など種類も多様だ。米国のフレッド(Fredd)という人が運営する「The Phobia List」というサイトには、専門書籍から見つけ出した恐怖症の名称だけで530が網羅されているというから、ただ恐ろしいばかりだ。

ここに最近、韓国では恐怖症の病名が1つ増えた。ほかでもない「スマートフォン恐怖症」だ。患者は主に「機械音痴」である中壮年層だ。時代に劣るのではと心配で、あるいは会社が一括支給したせいで、手に握ったりしてみたが、見れば見るほど要領を得ない。携帯電話の機能だけでもなく、パソコンでもないのがまさに困り者、でも捨てるには惜しい。米国の心理学者クレーグ・ブロードが言う「テクノストレス」によるうつ症を経験する人が1人や2人ではない。

しかし最初から恐れないことだ。恐怖はいつも無知から生じるものだ。暗号のようなスマートフォンのアイコンを一つひとつ征服してみれば、その程度の「恐怖症」なんて大したものでもないだる。出くわした恐怖の状況を賢く乗り越えたペルセウスが伝えるメッセージも、そうではないだろうか。

キム・ナムジュン論説委員



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