|
朝鮮500年の間で最も勉強を熱心にした人としては、17世紀の詩人、金得臣(キム・ドゥクシン)だといわれる。ベストセラーだった「不狂不及」によれば金得臣は「伯夷伝」を11万3000回読んだことを含め、儒家の主要経書をほとんど数万回ずつ読んだと伝えられる。読書百遍其義自見を忠実すぎるほどに履行したわけだ。しかし茶山丁若鏞(タサン、チョン・ヤクヨン)はこんな勉強方法に首を横に振った。「1日に100回ずつ3年通して読み続けて10万回なのに、その多い本をすべて1万回以上読むことができるがわけない」という理由だ。茶山はまた贈言を通じて弟子たちに科挙を受けることを積極的に勧め、試験用の勉強法も教えてあげた。古文に始まり、その次は吏文、その次は科文へと進めば早いというのだ。吏文は中国との外交文書に使われる中国式文章、科文は科挙の試験用文章をいう。
茶山は「(勉強において)君たちはた易しい近道を選ぶのであり、デコボコしたり葛で覆われた道には行くな」(諸生須求捷徑去 勿向犖确藤蔓中去)という言葉まで言った。良い成績を出す要領があったら付いていくことを避けるなという話だ。
このごろKBS2ドラマ「勉強の神」が話題になっている。日本のマンガを原作としたこのドラマは、教師でもない弁護士のカン・ソクホ(キム・スロ)が5人の劣等生を調練して1年以内に国立名門大である天下大学(言わばソウル大)に合格させると宣言して始まる。一部では学歴万能主義と私教育熱風を焚き付けると批判するが、保護者たちは「ルールに不満があればルールを作る人になりなさい」というカン・ソクホの言葉に「親たちが言いたいことをすべて言ってくれる」と声援を送っている。
もちろんドラマの主人公たちが天下大学に行くと言ってその次の人生が保証されているわけではなく、学校で学生たちに指導することは成績向上だけであるはずがない。しかし別に希望のない学生たちに「熱心に勉強して良い大学に行きなさい」と説破するドラマをめぐり「既得権のイデオロギーを説破する」と指摘することはどこか変だ。いざ正さなければならないのは、名門大を出てもまたロースクールや歯医学専門大学院に向かう現状の世の中ではないか。
ソン・ウォンソプJESコンテンツ本部長
この記事を読んで…