|
「クルタリ食堂」のキムチチゲは冷麺の器に盛られて出る。1977年、ソウル麻浦区桃花洞(マポグトゥ・ファドン)のクルタリ(橋)の下に店を開いた当時、隣近には印刷工場が整然と立ち並び、地下鉄工事も盛んだった。工場と工事現場の人たちはお腹をすかせると、この「クルタリ食堂」を訪れた。
ある日、主人キム・ジョンスクさん(76)が得意先にサービスで特別メニューを出したところ、その人気はたいそうなものだった。メニュー1つだったソルロンタンの牛肉サゴルのスープにキムチと豚肉を入れて煮込んだキムチチゲがそれだ。結局、常連たちのリクエストでキムチチゲをメインメニューとして売り出した。早く職場に帰らなければならない人々のためにあらかじめ煮込んでおいた。ふんだんな量は基本だった。この伝統が今まで続いている。
スープは牛肉サゴル(足の上)と雑骨を一晩じっくり煮こんで作る。ここに豚の足の肉と首の肉、キムチ、 特製のタレを入れて2時間煮込む。キムチのスープは色を出すためにお玉1杯程度だけ入れる。毎朝20人分の大きな釜6台にキムチチゲを煮てから鍋に小分けにして盛る。
注文が入って来たら一度グツグツ煮て、冷麺の器に盛る。サゴルのスープで長時間煮込んだキムチチゲの味は深くて濃い。脂が適当に含まれた厚い豚肉にキムチの味がちょうどよく染みている。このキムチチゲが無限に提供される。
キムチチゲ専門といってもサイドディッシュも多様だ。焼きのり、卵巻き、大根のキムチ、モヤシの和えもの、ニラの和えもの、かれいの煮つけが出るが、すべて美味。特に黄海道長湍(ファンヘド・チャンダン)が故郷であるキムさんが北朝鮮式に塩辛をほとんど入れずに作った大根のキムチはさっぱりしておいしい。2003年からキムさんの息子のイ・ガンウさん(53)が少し離れた所に分店を運営している。キムチチゲ6000ウォン、02-712-0066(本店)、02-706-0323(分店)。
この記事を読んで…