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【コラム】IT強国の明暗、速度への執着を捨てよう

ⓒ JES/中央日報日本語版
 超高速インターネットの平均速度は韓国が世界1位という調査結果が出てきた。世界的ウェブトラフィック専門会社アカマイの昨年7-9月期のインターネット現況報告によると、韓国のインターネット平均速度は14.6Mbpsで世界1位だった。また韓国は速度増加率も高い。通貨危機後の景気浮揚策の核心としてIT産業育成を選択し、全国的な超高速インターネット網の設置に力を注いだ金大中(キム・デジュン)政権から10年が経過していることを考えると、こうした調査結果が出てくるのは当然かもしれない。

しかしその中身はどうか。以前に流行したウェブ2.0について考えてみよう。韓国が初期のインターネット文化を先導したことは事実だ。しかしグーグルとユーチューブの登場後、さまざまな世界的なサービスが次々と生まれたが、トレンドがウェブ2.0に移った後、大衆の共感が得られるほどの新しいサービスを作り出しただろうか。思いあたるのはG-DRAGONの加入で話題になったme2DAY程度だが、これもまた巨大インターネット企業のネイバーが買収した後、あるサイトのトラフィックに頼って定着したサービスだけだ。

モバイルインターネットはどうか。ITと文化産業の発展のために閉鎖的な通信網利用に対する強制を解除し、モバイルインターネットを発展させるべきだという主張はその間ずっと存在していた。しかし目の前の利益にこだわる移動通信会社とデバイス開発会社は消費者のこうした要求を徹底的に無視してきた。結局、アイフォーンが輸入され、累積した消費者の不満が爆発してから、モバイルインターネットおよび関連コンテンツのインフラ開発に着手するという発表が出てきた。しかしこれでは後手に回るしかない。


さらに速いインターネット網を通して消費される情報はどうか。ポータルを通した情報の流れと世論の形成を見ると情けないどころか胸が痛む。最近の韓国インターネットの使用実態はそれほど望ましいものではない。BSE(牛海綿状脳症)事態当時の討論サイト「アゴラ」の活用やアフガニスタン内戦のツイッター活用のような極端なケースではなくても、もう少し美しいインターネット活用方法はないだろうか。

このように考えると、米国をうらやましく思う時がある。米国は電子メールチェックのためのブラックベリーを除いては相変わらず携帯電話の活用頻度が低く、超高速インターネット速度も遅い国だ。時にはこの国からどうやって世界をリードする先端技術が生まれるのか不思議に思うことがある。しかしそれでも米国はIPテレビが出てくる前にティーボというデバイス関連インフラを通してIPテレビに準ずるサービスを提供し、ラジオ網を通してラジオとカーオーディオで歌手と曲名をテキストで送出するサービスを提供する。

安易な考えかもしれないが、韓国の企業と消費者がもう少し人に視線を向ければどうだろうか。結局、ITも人のための技術にすぎない。人に視線を向ける文化が定着する時、真のIT強国に飛躍するのではないだろうか。



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