神話に「食欲の化身」が登場するのは洋の東西で違いはない。ギリシア神話には「飢えの呪い」を受けたエリュシクトン(Erysichton)の話が出る。エリュシクトンは女神デメテルの神聖な庭園にある木を斧で倒し、これを止めた妖精を辱めた。震怒した女神は彼にいくら食べても虚飢を感じる呪いを下した。彼は次から次へ食いつき、とうとう大事にしていた娘まで奴隷として売って食べ物を求めた。すべて食べ尽くしても満足しなかったエリュシクトンは、手足から始めて自分の体をすべてかじった。死んでこそ無惨な呪いから解かれることができたのだ。
東洋のエリュシクトンは中国神話の中にもいる。人の顔と爪を持つが、体は羊であり、歯は虎の化け物だ。鉤呉山に生息し、九尾狐のように人に取りついては食べたと伝える。ところが貪欲さから人を食べても満足できず、自分の身までかみちぎったという。
東洋のエリュシクトンは中国神話の中にもいる。人の顔と爪を持つが、体は羊であり、歯は虎の化け物だ。鉤呉山に生息し、九尾狐のように人に取りついては食べたと伝える。ところが貪欲さから人を食べても満足できず、自分の身までかみちぎったという。
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