キム博士が極地の気候を研究し始めたのは1992年。忠南(チュンナム)大海洋学科を卒業し、米テキサスA&M大学の修士課程に入ってからだ。キム博士は南極地域の海水の流れを研究し、98年にテキサスA&M大学で博士学位を取得した。
当時としては最新理論の「海水コンベアベルト」理論を研究した。極地方で始まった巨大な海洋深層水の帯が「コンベアベルト」のように全地球の海底を循環し、熱とエネルギーを運ぶという理論だ。地球温暖化で氷河が解け、この流れを弱めれば、赤道から極地に伝えられる熱エネルギーが途切れて、中緯度地域に突然寒さをもたらすというものだ。この仮説はパニック映画「デイ・アフター・トゥモロー」のモチーフになった。
キム博士は北極振動研究のためにカナダ気候分析センターに勤務し、03年に海洋研究所付設極地研究所に移った。キム博士は最近、春季の北極振動が韓国の夏季の降水量に与える影響について研究中だ。北極振動が夏の韓半島の暴雨にも影響を与える可能性があるということだ。キム博士は「幽霊と戦うようなうんざりする作業のようだが、地球のすべての部分がお互い影響を与え合うメカニズムを追跡する興味深い研究」と語った。
◇北極振動=北極の気圧の変化により北極の冷気が‘振り子運動’のように低緯度地方に下りたり上がったりする現象。
寒さを研究するキム・ソンジュン博士、韓半島の寒波を予言(1)
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