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【コラム】オバマ大統領に対する北朝鮮の錯覚

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「必ず当選することを望んでいる。 選挙が終われば平壌(ピョンヤン)に寄ってほしい」

消息筋によると、北朝鮮は08年11月初め、当時のオバマ民主党大統領候補キャンプにこうしたシグナルを送ったという。 オバマ氏の当選がもたらす‘薫風’に対して膨らむ期待感を表したのだ。 そのオバマ大統領が来週(21日)、執権1年を迎える。 しかしこの1年間の現実は、北朝鮮や北朝鮮よりの人の主張とは相当な隔たりがあった。

まず北朝鮮側では、オバマ政権になれば韓半島構図が「通米封南」になると考えてきた。 しかし現実は全く反対だった。 11日に北朝鮮外務省が「先に平和会談、後に6カ国協議」という主張を持ち出すと、米国はその数時間後に「6カ国協議に出てきて非核化するのが先だ」と反論した。 ワシントンでは「米国が韓国などと‘先に6カ国協議’という原則を早くから共有していたため、ためらいなくすぐに反応した」という解釈が出ている。


また北朝鮮側や北朝鮮寄りの人たちは昨年、「オバマ大統領は就任すればすぐに朝米対話に出てくる予定で、李明博(イ・ミョンバク)政権は外にはずれる」と主張してきた。 これも違った。 オバマ大統領は昨年の夏に入ってから北核実務陣を任命した。 また北朝鮮が期待していた朝米対話は昨年12月に入って初めて開いた。

予測とは違う1年になった原因は、何よりも北朝鮮の下手な動きのためだ。 平壌はオバマ政権発足3カ月目で事実上の長距離ミサイルを発射し、1カ月後には2度目の核実験まで行った。 民主党の秋美愛(チュ・ミエ)議員はこれを「北朝鮮の敗着」と指摘したが、適切な表現だ。 これにオバマ大統領は激怒し、イランやベネズエラとは違い、北朝鮮には手を差し出さなくなった。 またブッシュ前大統領と差別化するためにオバマ大統領が掲げた多者主義外交原則は、北朝鮮を警戒する韓日両国との協力強化に帰結した。 北核実務を担当するワシントン官僚の失望も大きい。 クリントン政権時代に北朝鮮と交渉し、「ジュネーブフレームワーク」を引き出した官僚らは、約束を破って挑発の道を歩き続ける北朝鮮に対し、過去とは違う接近方法をとるしかないという考えを固めた。

もちろんオバマ政権は北朝鮮の崩壊ではなく非核化を望んでいる。 しかし北朝鮮の過ちに目をつぶったり見返りを与えたりしてまで対話をすべきだという考えがないことも、この1年間で確認された。 結局のところ核心は北朝鮮の正しい現実認識だ。 北朝鮮は「平和会談」というカードを取り出したが、非核化という本質的な問題を回避すれば、他のどのカードも対話を拒否しようという口実としてしか見なされないだろう。

姜賛昊(カン・チャンホ)政治部門次長



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