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【中央時評】北朝鮮7、中国2、韓国1

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今年、北朝鮮の新年共同社説は見出しからあやしい。

「軽工業と農業に拍車をかけ、人民生活の決定的なターニングポイントを作ろう」--。

共同社説が公開された95年以来、これほど具体的な見出しが付いたことはなく、タイトルとして経済の分野を選んだのも初めてだ。通常、北朝鮮は抽象的な政治スローガンを見出しに設定してきた。「今年を新たな革命的大高潮の年として輝かせよう」(09年)、「祖国の庁舎に刻み込まれる歴史的転換の年として輝かせよう」(08年)--などだ。


ところが、今年は「人民生活」という具体的かつ現実的な経済問題をテーマに掲げた。昨年の共同社説では1回だけ登場した「人民生活」という単語が今年は19回も繰り返された。それだけ住民の生活が困窮しているということだが、実際に改善できるという確実な自身なしでは、見出しから内容に至るまでこれほど強調に強調を繰り返すことはできないだろう。

北朝鮮における共同社説は、それなりに率直にならざるを得ない文書だ。国外への宣伝向けではなく、国内の住民向けだからだ。年末になれば共同社説で示された課業が実現されたかを住民が直接確認できる。課業の進み具合を年中、各職場が点検もする。希望を吹きこみ忠誠を引き出すためにある程度の誇張はあるものの、本質的には「比較的正確な現実認識」や「実践できる目標」を掲げるほかない。

「苦難の行軍」時代の98年の共同社説が「我々の前を大きな経済的難関が遮っている」、または2000年に「我々の経済事情は依然厳しい」と記述したのもこのためだ。さらに共同社説は「金正日(キム・ジョンイル)同志の思想と意味」を盛り込む文書であることから、結果的に、「非凡な指導力をもつ将軍様」が虚言をした格好になってもならない。特に今年の共同社説の作成には金正日国防委員長が深く関わったという点でさらにそうである。おそらく見出しも直接決め内容も自らまとめたはずだ。

金正日時代の経済スローガンである「国防工業優先の政策」をひっくり返して、軽工業や農業を中核として掲げるのは金委員長でなければ誰にもできないことだからだ。つまり、今年の共同社説は金委員長の意志が100%反映された文書だ。だから、あやしいのだ。昨年、作柄が悪く、経済制裁措置も続く状況なのに、いかにして生活の水準を向上させるというのか。「人民生活を高めるのは経済実務的事業ではなく、父上・首領様の遺言を貫徹するための政治的事業」とまで明言できる土台は何だろうか。いったい、この異例の自身はどこから始まったのだろう。

その自信の7割ほどは内部にあるはずだ。一部では、共同社説で韓国への誹謗(ひぼう)が消えたことをめぐり、支援を期待するものという見方を示しているが、違うだろう。いくらとんでもないことをする北朝鮮という言うものの、不透明な韓国の支援を視野に入れて経済計画を設計することはまずないはずだからだ。

生活水準の向上も大したものではなく、行えずにいた配給を行い、配給中の品目ならより多く配る程度の向上であろう。よって、150日および100日の戦闘が成果をあげたという北朝鮮の報道は、全くでたらめなものではなく、「経済が本格的な上昇の段階に入った」という共同社説の内容も全く根拠のない誇示であるだけではないとみられる。

外部の支援がないにもかかわらず、供給拡大が成功の決め手となるデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を全面的に実施したのも同じ脈絡からだ。たとえ確実ではなくとも、自主的土台がある程度作られたという内部的自信があると見るのが妥当だ。しかし、それだけでは十分でないという点は北朝鮮も知っているだろう。

だから残りを埋める役割を中国が担っているはずだ。昨年後半から活発化している中国高官らの訪朝は、経済支援と協力を最優先の議題にしているとみられる。そして、中国はその見返りとして▽北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議への復帰▽南北(韓国・北朝鮮)関係の改善--を求めていることに違いない。昨年10月、温家宝中国首相が平壌(ピョンヤン)入りした際「韓半島の和平・安定に向け、重大な貢献をしたい」と声明を発表したのはこうした状況を含蓄的に示す。

結局、韓国は付随の要因、おそらく1割ほどの重要性にとどまる。韓国の支援は「あれば良く、なくても結構」であろう。だから北朝鮮が取っている柔軟姿勢は、圧迫に屈服したものでもなければ支援を期待するものでもなく、関係の悪化がもたらす計画の狂いを防ぐためのものと考えられる。韓国が待つ間に、北朝鮮は自国のスケジュール通り取り組み、もはや、むしろ南北関係を「管理」しようとする水準に達したのだ。

梨花(イファ)女子大学・曺東昊(チョ・ドンホ、北朝鮮学)教授



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