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【社説】苦心の世宗市新案…国会で結着を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政府が11日、韓国西部・忠清南道(チュンチョンナムド)などを中心に建設中の新都市「世宗(セジョン)市」の新案を公開した。8部2処2庁を移転して「行政中心複合都市」を建設する計画を白紙撤回し、「教育・科学中心の経済都市」という青写真を提示した。

乱麻のごとく韓国社会全体を暗い迷路に陥れた世宗市問題は、新たな局面に突入することになった。官民合同委員会がおよそ2カ月にわたる難航の末に発表した新案を評価するいちばんの基準は明確だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権時代の原案より忠清地域ひいては国家の発展に、果たしてより効率的かどうかの問題である。野党と忠清地域は、新案は9部2処2庁の移転を伴うだけで手柄顔をしているとまったをかけてきた。

公開された新案はしかし、雇用創出の効果が大きい企業・大学などを建設する用地の割合を原案の6.7%から20.7%へと3倍増やした。全体の雇用人口も原案の8万4000人から24万6000人へと3倍増えるというのが新案の期待値だ。世宗市入居企業に対する土地供給、税制支援などインセンティブの法制化も、投資誘致の機能を高めるものと評価できる。こうした計画見直しがなければ、新しく流入する人口は10万人も厳しく、人口50万人の達成が不可能な状況だという分析が発表された。世宗市の完成時期を10年早めた2020年にするという「速度戦」の意志にも意味がある。企業・革新都市レベルの税制恩恵などで他地域との公平性に努めた部分も目につく。


もちろん誰も同案を最善だと断定できない。しかし部署移転の取りやめの代案として「未来型の先端経済都市」を建設し、一度評価を受けたいという努力の痕跡は各部分から感知される。反転を繰り返した世宗市問題はしかし、これからが解決の始まりとなる。

政府はひとまず、三星(サムスン)、ハンファ、ロッテ、熊津(ウンジン)など大企業と高麗(コリョ)大学、韓国科学技術院(KAIST)などの投資・誘致計画の発表を、充実した中身で締めくくらねばならない。新案のアルファでありオメガであるからだ。巷には「任期の末期または政権が変われば水の泡になるのでは」と懸念する声があがっている。

焦った末に膨らませた数値はないか、残られた土地にはどんな外国企業を新しく誘致するのか--などについて絶え間なく信頼と努力、進化の姿を見せなければいけない。世宗市の代案が自分の責任だとした大統領も、国民向けの談話や特別会見、親朴(朴槿恵)系・野党との多様な接触を通じて説得に全力を挙げるべきだ。

米国産牛肉の輸入をめぐる牛海綿状脳症(BSE)事態の当時、「健康・衛生」という懸案の管理と説得に充実しなかったため招いた途方もない費用を繰り返しては困る。野党・親朴など反対派の、耳を傾けるべき内容には、補完と開かれた姿勢を示して当然だ。野党も落髪や場外闘争を中止するよう願いたい。世宗市の新案は今後、国会提出や公聴会、表決など民主的手続きを踏まねばならない「政策選択」の対象であるだけだ。

これを見分けられず、政略的計算や意地悪だけで徹夜するならば、厳しい逆風を避けられない。解決策は自明だ。アウトサイドにあった世宗市の解決策をそろそろ国会という公論の場に運ばねばならない。与党も野党も、親朴も親李(李明博大統領)も、忠誠地域も忠清以外の地域も、議事堂で討論を行い、その虚実を点検すべきだ。何よりも国益のための真正性を持った者が補償を受ける、そうした手続きを期待したい。



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