李明博(イ・ミョンバク)大統領が新年演説で「北朝鮮との対話を通じて(韓国戦争で死亡した)韓国軍の遺体を発掘する事業を進めたい」と述べた。
この構想が実現する場合、南北(韓国・北朝鮮)関係の発展に大きな進展と受けとめられるだろう。南北が「真の和解」へ向かう大きなきっかけになるはずだからだ。
戦死者の遺体を捜しだして遺族に引き渡し、国家が最大限の敬意を示すことほど、戦争の傷痕(しょうこん)をきちんと治癒できる道はない。ここでもう一つの提案をしたい。韓国軍だけでなく北朝鮮軍の戦死者の遺体まで同時に発掘しようということだ。
この懸案は、07年11月に北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で開かれた2回目の国防相会談で相当な進展を得たことがある。当時、合意書は「双方は戦争時の遺体を発掘する問題が、軍事的な信頼醸成や戦争の終息に関連した問題だという認識で一致し、実現の方策を話しあう方針を決めた」としている。その後、南北関係が停滞し、合意の履行が留保となった状況だ。
しかし、李大統領が改めて意志を表明することにより新たな局面を迎えることになったのだ。南北当局が共同で韓半島全域にある南北の戦死者の遺体発掘作業に乗り出すならば、韓国戦争(1950~53)がもたらした南北間のわだかまりを解いて傷痕を治癒する上で、これ以上効果的な方策はないだろう。また、南北間の軍事的信頼づくりのきっかけになり、平和定着ムードの醸成にも大きく役立つことが自明である。
韓国戦争の戦死者の遺体を発掘するのが政府レベルの事業になったのは2000年だ。満10年間にわたり国内で発掘が進められ、計3367体の韓国軍の遺体が見つかった。その過程で北朝鮮軍の遺体およそ400体と中共軍の遺体約200体も発掘された。当局はこれら遺体を別途に奉安し、機会ができたら北朝鮮と中国に返す計画だという。
北朝鮮地域でも遺体発掘作業が行われれば、事情は大きく異ならないだろう。このように韓国軍の遺体を発掘する過程で北朝鮮軍と中共軍の遺体が共に見つかるのは、悲劇的だが、必然的だ。韓国戦争の当時、激戦が繰り広げられた戦闘の現場は、南北を問わず韓半島全域に広がっているからだ。遺体発掘事業が南北当局の共同事業にならなければいけない理由がここにある。
国防部はおととい、遺体発掘事業を対北支援に結びつけて進めると明らかにした。米政府は北朝鮮を含め米軍が戦闘を繰り広げた全世界の各国に大規模な発掘費用を支払い、発掘された遺体に対しては一定の補償を行いながら米軍戦死者の遺体を捜している。
韓国とは違って、依然として遺体発掘事業に積極的な姿勢を示さず準備もできていない北朝鮮の事情を踏まえれば、米国の前例を南北の間に適用するほかないとみられる。また、中断された北朝鮮への食糧・肥料の支援を、戦死者の遺体の共同発掘事業に結びつけることも検討する必要がある。
一部では北朝鮮に戦争の責任を問い、あるいは北朝鮮軍によって家族が犠牲になった場合、心のわだかまりから遺体の共同発掘作業に反対するかもしれない。しかし、南北が真の和解へ向かうためにも「解寃」(多くの生命の冤と恨を解いてあげるという意味)の過程は必要だ。南北の戦死者の遺体を共同で発掘する事業こそ南北が手を結ぶ「大解寃」の道になる。
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この懸案は、07年11月に北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で開かれた2回目の国防相会談で相当な進展を得たことがある。当時、合意書は「双方は戦争時の遺体を発掘する問題が、軍事的な信頼醸成や戦争の終息に関連した問題だという認識で一致し、実現の方策を話しあう方針を決めた」としている。その後、南北関係が停滞し、合意の履行が留保となった状況だ。
しかし、李大統領が改めて意志を表明することにより新たな局面を迎えることになったのだ。南北当局が共同で韓半島全域にある南北の戦死者の遺体発掘作業に乗り出すならば、韓国戦争(1950~53)がもたらした南北間のわだかまりを解いて傷痕を治癒する上で、これ以上効果的な方策はないだろう。また、南北間の軍事的信頼づくりのきっかけになり、平和定着ムードの醸成にも大きく役立つことが自明である。
韓国戦争の戦死者の遺体を発掘するのが政府レベルの事業になったのは2000年だ。満10年間にわたり国内で発掘が進められ、計3367体の韓国軍の遺体が見つかった。その過程で北朝鮮軍の遺体およそ400体と中共軍の遺体約200体も発掘された。当局はこれら遺体を別途に奉安し、機会ができたら北朝鮮と中国に返す計画だという。
北朝鮮地域でも遺体発掘作業が行われれば、事情は大きく異ならないだろう。このように韓国軍の遺体を発掘する過程で北朝鮮軍と中共軍の遺体が共に見つかるのは、悲劇的だが、必然的だ。韓国戦争の当時、激戦が繰り広げられた戦闘の現場は、南北を問わず韓半島全域に広がっているからだ。遺体発掘事業が南北当局の共同事業にならなければいけない理由がここにある。
国防部はおととい、遺体発掘事業を対北支援に結びつけて進めると明らかにした。米政府は北朝鮮を含め米軍が戦闘を繰り広げた全世界の各国に大規模な発掘費用を支払い、発掘された遺体に対しては一定の補償を行いながら米軍戦死者の遺体を捜している。
韓国とは違って、依然として遺体発掘事業に積極的な姿勢を示さず準備もできていない北朝鮮の事情を踏まえれば、米国の前例を南北の間に適用するほかないとみられる。また、中断された北朝鮮への食糧・肥料の支援を、戦死者の遺体の共同発掘事業に結びつけることも検討する必要がある。
一部では北朝鮮に戦争の責任を問い、あるいは北朝鮮軍によって家族が犠牲になった場合、心のわだかまりから遺体の共同発掘作業に反対するかもしれない。しかし、南北が真の和解へ向かうためにも「解寃」(多くの生命の冤と恨を解いてあげるという意味)の過程は必要だ。南北の戦死者の遺体を共同で発掘する事業こそ南北が手を結ぶ「大解寃」の道になる。
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