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【漢字で見る世の中】庶民

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国は優に「庶民共和国」と言える。与党は庶民のための政治をするとし、野党も庶民のための生活政治を掲げる。おととい、李明博(イ・ミョンバク)大統領の新年演説も「庶民の生活に温気を与えたい」という言葉で締めくくられた。

庶民の語源は中国の春秋戦国時代以前に遡る。当時「百姓」という言葉は「姓(名字)」を持つ人を指した。誰もが持つものではなかった。王族と貴族だけが母親から姓を受け継ぐことができた。一般の平民は姓がなかったため「百姓」になれなかった。それらを称す言葉が、つまり「庶民」だった。

権力から疎外された一般の大衆である。甲骨文の「庶」は、家にいる人の形で表現されている。「庶」の意味はもろびと(衆人)、平凡などに拡大されたが、「疎外された者」という基本的な意味は変わらなかった。本妻でない妾の産んだ子を庶子と称した。支配階層の反対語が庶民層だった。


現在の庶民は経済的意味がより強い。富から疎外された人々だ。貧しい人々への資金融資のため「庶民金融」が登場し、経済事情が厳しく持家を所有しない人のため「庶民向けアパート」が建設される。貧しい家の経済を「庶民家計」ともいう。中間所得者層・民衆・民草などの言葉が階級や政治的意味を含めているのに対し、庶民は似たような対象でありながらも経済的性格が強いのだ。

政治権力と庶民はどんな関係を維持すべきだろうか。この問題に対する孟子(BC372~BC289)の解釈は意味深長だ。孟子が梁の恵王に会った時のことである。「王はどんな時、喜ぶべきか」という恵王の質問に、孟子は「詩経」大雅編の一節を引用して答える。

「聖君の周文王が祭壇を作ることを決めた。庶民が駆けつけて熱心に働き、わずか数日で完工した(庶民功之、不日成之)。難しいことだったが、庶民はむしろ喜んで働いた。古代の聖人君子はこのように庶民と共に喜びを分けあった(与党民偕楽)。それがまさに王が喜ぶ理由である」(孟子・梁恵王)。

政治指導者と庶民が向かいあって喜ぶことは、かつても今も政治の最高の境地なのである。

ハン・ウドク中国研究所次長



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