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「容赦はない」…「オールド・ボーイ」以来のショッキングスリラー

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



7日に公開する映画「容赦はない」は、おそらく韓国映画としては「オールド・ボーイ」(03年)以来、これほどショッキングかつ野心に満ちた結末を試みたスリラーはなかっただろう。

同作品の反転はショッキングという言葉では足りない。見事な反転を見せるのが素晴らしいスリラーの必要十分条件という強迫観念の産物ではないかと思うほどだ。


エンディングのシーンを確定できないまま撮影に入り、撮影の期間中、結末をめぐり制作サイドが激論を展開したというのは、この作品の野心がどれだけ大きかったかを示す。主要投資会社が投資をためらったのも復讐(ふくしゅう)と容赦、血縁関係がからまり、核爆弾級になってしまった結末のせいだったのだろう。

しかし「容赦はない」が達成できたものはここまでだ。優れたスリラーとされるには、目立つ反転だけでは物足りなかった。何よりも結末に至る旅程が長く、典型的かつ粗末だった。ソンホが解放されることになる決定的な証拠、つまりほかの容疑者の精液や指紋がなぜあんなに遅く見つかるのか疑問がわくが、それは映画を見ながら抱く数多くの疑念のひとつにすぎない。

なぜミンホを警察ではなく解剖医に設定したのか、遺体を解剖するシーンをなぜあれだけ詳しく見せるのか、犯人を最初から明らかにして犯行の動機にばかりに焦点を当てた理由は何か--などといった疑問は、かなり長い時間を待って解消される。もちろん最後まで疑問を解消できず、道をさ迷う数多くの凡作に比べれば「容赦はない」が提供したパズルゲームは悪くない。

しかし最後の強力な「一発」までの鈍い選択があれでよかったのか、議論の余地は多い。ソル・ギョングのように優秀な俳優から涙と鼻水だけでも足りず、血と涙まで絞り出す父性愛の演技以上の何かを見られなかったのは、この作品の決定的な失敗のひとつだ。俳優本人の問題というよりは、結末に合わせるほかないお決まりの枠組みが、俳優にとっては障害物になったと見られる。

刑事役(ソヨン)でスクリーンデビューを果たしたハン・ヘジンや、地方の刑事ジョンガン役を演じたソン・ジルも、その枠組みの中でさ迷う中、終わったという感じだ。

むしろスポットライトは登場シーンが相対的に少ないリュ・スンボムに向けられる。不自然な文語体のセリフを真剣かつ皮肉った口調で適切に消化した彼のキャラクターは記憶に残るだろう。主演2人が対抗する取調室の場面の緊張感は全的にリュ・スンボムの気運によるものと思われる。キム・ヒョンジュン監督のデビュー作。青少年観覧不可。



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