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李明博(イ・ミョンバク)大統領が4日、南北(韓国・北朝鮮)間に日常的な対話のための機構が必要だと強調したのは、この1年間、より積極的に北朝鮮にアプローチしていくという意味に受けとめられる。
2年前、現政権が発足した直後、韓国政府への攻勢を強めていた北朝鮮は昨年8月以降、融和姿勢に転じ、新年の共同社説では南北関係の改善を強調した。李大統領はこうした雰囲気を踏まえ、南北関係の新たな転機づくりを提案したものとみられる。特に南北連絡事務所などといった常時対話が可能なシステム(連絡事務所)の構築に触れることによって、今後、南北当局の関係のアップグレードを進めることを予告した。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)の李東官(イ・ドングァン)スポークスマンは「必要な時は会って、そうでなければ(対話の)扉を閉めるのはやめるという意味」と説明した。連絡事務所が3回目の南北首脳会談へ向かう経由地になるだろうという見方も出ている。李大統領は昨年4月、米紙ワシントンポストとのインタビューで「連絡事務所長は南北の最高責任者の言葉を直接伝えられるポストにある人にすべき」と述べた。同機構を通して高官の対話を継続させ、最高当局者の接触を進めるということだ。
首脳会談の場所について、すでに昨年12月「ソウルでなくてもいい」と話した李大統領は今回「コンテンツが問題であって、後は交渉次第」と述べた。2000年6月15日の南北共同宣言で「ソウルへの答礼訪問」を約束したにもかかわらず、訪問せずにいる金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の選択肢を増やしたのだ。それだけに今年南北首脳会談が開かれる可能性が高いという見方が広がっている。
南北はすでに昨年10月、シンガポールで秘密裏に接触した。人民の経済や後継体制の準備に集中しなければいけない金委員長としては、南北関係を安定的に管理、韓国から大規模な対北支援を引き出すのが切実なのが実情だ。李大統領が「北朝鮮との対話を通じ、(韓国戦争で死亡した)韓国軍の遺体を発掘する事業を進める」と明らかにした点も注目を集める。今後同問題を議題に含めた南北軍当局間の対話が行われる可能性もなくはない。
しかし大統領の構想が実現されるためには越えなければならない山が多い。ソウル・平壌(ピョンヤン)の連絡事務所の場合、すでに北朝鮮が「南北関係が悪化した責任を避けるための手口」とし拒んだ。一蹴した提案を後ほど受け入れるのは容易でないかもしれない。首脳会談の実現まではより厳しい過程が予想される。
韓国軍捕虜・拉北者(北朝鮮に拉致された韓国人)の問題と北朝鮮の非核化を首脳会談の議題に含めるという政府の立場が確固たるものと見られるからだ。北朝鮮は「非核化は朝米交渉で扱うべき」という立場だ。李大統領が北朝鮮に対し6カ国協議への早期復帰を強調したのは、金委員長が非核化について態度を変えない限り、南北高官の対話が容易ではないというメッセージかもしれない。
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