各国首脳の新年の辞を見ると、ひとつの共通点を見つけることができる。国ごとに事情は異なるにもかかわらず、各国の指導者はまるで申し合わせたかのように「今年を経済が回復する年にしよう」と強調したのだ。2008年に世界的金融危機が発生してから1年が過ぎても不振から抜け出せずにいる世界経済を考慮してみると、各国の指導者が一様に「経済回復」を今年の最も大きな課題にしたのはあるいは当然のことだ。
李明博(イ・ミョンバク)大統領も「一労永逸」を新年の話題として今年1年を「経済回復」に邁進すると誓った。しかしみんなが「経済回復」を強調しても、李大統領は他国の指導者に比べ余裕があった。韓国経済は昨年すでに経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も速い回復傾向を見せていた上、今年はほとんどの予測機関が5%以上の成長は無難に達成するとの見通しを示しているためだ。こうした予測通りに経済が回ってくれれば今年を「経済回復」元年とするという李大統領の決心は確実なものとなる。旭日昇天のように高度成長を謳歌する中国ほどではないが、5%程度の成長率なら、そこそこの先進国の鼻をあかせるほどの驚く数値に違いない。
しかしこの成長見通しが実際に達成されれば経済が回復したと言えるだろうか。不幸にもそうではないということに悩みがある。まず今年経済が5%以上成長するとしても、国民が経済が回復したことを肌で実感するのは難しいだろう。ベースエフェクト(基底効果)のためだ。韓国経済は世界的金融危機が広がった2008年第4四半期に成長率がマイナス3.4%を記録してから、昨年第1四半期にマイナス4.2%、第2四半期にマイナス2.2%と3四半期連続でマイナス成長を免れられなかった。そして昨年第3四半期は0.9%のプラス成長に転じ、第4四半期の6.3%から本格的な回復局面に入った。昨年通年ではどうにか0.2%の成長にとどまった。事実上昨年1年間に経済は前年に比べ少しも改善していないということになる。ちょっと見ただけでは5%の成長率なら悪くない数値に見えるが、比較対象の前年の実績があまりに悪かったので相対的に大きく見える錯視現象にすぎないという話だ。
より深刻なのは、今年の成長パターンが上高下低の形態を帯びるだろうことだ。韓国開発研究院(KDI)は韓国経済が上半期には6.9%成長し、下半期は4.3%の成長にとどまるとの見通しを示した。これは基底効果による成長率の錯視現象をより明確に示している。マイナス成長を記録した昨年上半期と比較した今年上半期の成長率は高く示され、プラス成長に転じた昨年下半期と比較した今年下半期の成長率は低く示されるだろう。結局今年5%以上成長すると言ってみたところで、危機以降の2年を通してみれば年平均2%程度の低成長局面が続いているだけだ。
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