アラブ首長国連邦(UAE)原子力発電所の受注をきっかけに韓米原子力協定改正の必要性がまた提起されている。崔炅煥(チェ・ギョンファン)知識経済部長官は年末、「この協定には原料部門と再処理部門で過度な統制がある」と指摘した。これに先立ち昨年7月には、一部の政治家がいわゆる「核主権論」を主張し、原子力の経済的な活用のために「核周期(濃縮-核燃料製造-原子炉稼働-使用済み核燃料再処理)完成論」から、北朝鮮の核実験に対抗した「核武装論」までも主張した。2014年に満期が到来するこの協定の改正作業を控え、各種意見が噴出している。
経済的・環境的な側面で見ると、韓米協定の改正は妥当性がある。何よりも2016年には原子力発電所内に保管中の高レベル核廃棄物(使用済み燃料)が飽和状態になるため、使用済み燃料再処理案の用意が急がれるからだ。このため国内の原子力科学者らはパイロプロセス(乾燥式処理)という新技術を開発し、これの実用化のための協定改正を待ち望んでいる。新技術を適用すれば、使用済み核燃料の大部分を原子力発電にリサイクルでき、その結果、高レベル核廃棄物の発生量が現在の20分の1以下に減るという。また核兵器に使われるプルトニウムの抽出も避けられる。核武装疑惑を避けながら、原子力発電のコストと副作用を最小化できるということだ。
このように新技術の開発により原子力の平和的利用を拡大する道が開かれたが、韓米協定が「韓国の再処理」を遮っているという主張だ。政府はこうした側面から、韓米協定改正に消極的な米国政府を説得する戦略を用意するのに総力を傾ける必要がある。
しかし政界の一部などから出ている「核武装論」は非常に危険な発想だ。韓国の国際的な地位を一瞬にして崩し、大韓民国の生存までが脅かされる主張であるからだ。韓国は北朝鮮のように国際社会から孤立して生きていくことはできない。特にこうした主張は原子力の平和的利用の拡大努力までも無にする可能性が高いという点で警戒する必要がある。
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