李健煕(イ・ゴンヒ)前三星(サムスン)会長に対する特別赦免は、その形式と時期から李明博(イ・ミョンバク)大統領の決断的性格が強いと、青瓦台(チョンワデ、大統領府)が29日明らかにした。
まず、赦免の対象が1人だけだった。‘1人赦免’は財界人では初めての例だ。李前会長は背任と脱税の容疑で8月に懲役3年・執行猶予5年が確定した。
青瓦台の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は「今回の赦免ははっきりとした目標があった」と背景を説明した。青瓦台が述べた目標は「2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック誘致」だった。
青瓦台が赦免を検討し始めた初期にはさまざまな主張があった。赦免論が優勢だったが、政治的な負担を考慮した赦免否定論も少なくなかった。また一部では「他の財界人と政治家も同時に含めよう」という声があり、実際に検討されたという。
すべて李前会長の赦免による政務的波紋を考慮しようという趣旨だった。李前会長が赦免される場合、「オリンピック(五輪)誘致のために絶対に必要なのか」という本質的な討論とは別に政治的攻撃が提起される可能性があるからだ。
しかし李大統領は赦免対象者を増やして焦点を分散させるよりも、李前会長1人を赦免するという正攻法を選択した。青瓦台の関係者は「李大統領は目的と対象を明確にしたほうが真正性があり、赦免対象者を増やせばむしろ純粋性が損なわれると判断した」と述べた。李大統領の意向が強く、‘1人赦免’という形式は比較的簡単に青瓦台内部で結論が出たという。
法と原則が損なわれたという一部の批判に対し、青瓦台の関係者は「国益を考慮したサージカルストライク(Surgical Strike・精密打撃)式の解決法だった」と述べた。
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