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鄭徳亀元産業資源部長官
韓国と中国が早期に自由貿易協定(FTA)の進展を得るためには、農水産品など敏感な品目を除いて工業生産品を中心にした「低い段階の緩いFTA」を先に締結した後、段階的に貿易の自由化を拡大していくべきだ」。
最近、韓国を訪問した中国の習近平国家副主席が「韓中FTAを早期にスタートさせるべき」と提案したことに続き、産業資源部(産資部)長官を歴任した鄭徳亀(チョン・ドック、61)NEAR(ニア)財団理事長は19日、中国・北京で中央日報の取材に対し、このように述べた。
鄭理事長は「両国が初めから韓米と韓・欧州連合(EU)のように高い水準のFTAを締結するのは現実的に難しい」とした後「両国間には敏感な品目が多いため、すべての隔たりを解消しFTAを進めるには時間がかかりすぎる」と話した。同氏はこの日、米コロンビア大と中国人民大学が共同で開設した財政金融学の1学期の講義を終えた。
中国と台湾が事実上のFTAに該当する経済協力枠組み協定(ECFA)を来年に締結し、「チャイワン(中国=チャイナと台湾=タイワンの合成語)時代」の開幕を目指している動きについても警戒心を示した。同氏は「中国が台湾を人民元の通用地域に急速に引き込もうとしている」とした上で「ECFAが締結されれば先端技術で武装した日本が台湾を経由し、中国市場に直行するシナリオが予想できるが、これは韓国企業にとって直撃弾になりうる」と懸念した。
今年8%以上の成長が予想される中国の経済については、条件付きで楽観的な見解を表明した。鄭理事長は「30年にわたる高速成長の渦中に累積された弊害を除去し、財政と金融が混在する金融システムを改革する一方、社会セーフティネット(安全網)を築いて、貯蓄より消費が進むようにすることができるならば、中国経済は潜在成長率9%を安定的に持続できる」という認識を示した。
続いて「中国の内需市場は、規模の面で米市場に十分取って代わることができ、部品や素材など中間財の市場でも、中国が、韓国・日本の成長の動力源の役割を果たせる」と付け加えた。同氏は「中国の中間材市場をめぐり韓日中3国が激しく争う“新三国志”が展開されるだろう」とした後「これに備えて韓国は日本との技術のギャップを減らし、中国とは格差を維持するための源泉技術の開発に大々的に投資すべきだ」と述べた。
国際金融市場で地位を確保している円に続き、人民元のグローバル化が加速化した場合、韓国のウォンが円と人民元の間に挟まれ「通貨サンドイッチ」の状況に陥ることから、通貨政策の抜本的な変化が必要だという見方も示した。中国式の社会主義市場経済の将来について鄭理事長は「貪欲とモラルハザード(道徳の欠如)が生じれば市場は天使から悪魔に突変し、政府も市場に長くとどまりすぎれば救世主ではなく暴君になる」と指摘した。
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