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ゾウは地上最大の動物だ。乾いた草と木の葉、実、木の幹や皮まで毎日400キロずつ食べる。排泄も多い。成人ゾウが1日に出す糞は100~200キロ。
この「巨大なごみ」をめぐり悩んだ人々は、ゾウの糞に、消化できなかった繊維質がいっぱいある点に着眼し「ゾウの糞紙」を開発した。厚手の韓紙のような質感でタイ・スリランカなどで生産される。
作り方は次の通りだ。ゾウの糞をよく乾かした後、煮ては濯ぐ作業を繰り返しながら質のよい繊維質だけ残す。これを細かく切って紙のおかゆのようにし、染料を添加する。網でこして天日で乾かせば完成。作る過程でにおいや細菌は消える。(キム・ヒョンジャ「糞で解決した科学」)
日本の動物園には「ゾウの糞のお守り」もある。動物園から出るゾウの排泄物で作った紙に「合格」などの文言を書いて入れたものだ。ゾウのように大きな幸運が入って来るようにとの意味だという。
アフリカではゾウの糞が食べ物を作る燃料であると同時に傷を治療する薬剤だ。ナイジェリアを活動の地とするイギリスの作家、クリス・オフィリが自分の絵にゾウの糞を取り入れる理由だ。黒人聖母の周辺を、乾かしたゾウの糞と性器の写真で飾ったオフィリの作品「聖母マリア」が1999年、ニューヨーク・ブルックリン美術館に展示されると、カトリック信者であるルドルフ・ジュリアーニ当時市長が怒りを示した。ヒラリー・クリントンがジュリアーニを非難し、美術館が訴訟を提起したあげく「ゾウの糞の絵」はポジションを守ることができた(イム・クンヘ「創造の帝国:イギリスモダン美術のセンセーション」)。
第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議が開かれているデンマーク・コペンハーゲンに巨大なゾウの糞が現れた。ニューヨークで活動する広告専門家イ・ジェソク氏が製作した大型の壁画だ。ゾウの糞をほうきで片付けようとする雀の姿と「小さな国々が片付けるには力不足だ。大きな国々がしなければ」という文言を添えた。
強大国たちはゾウのように次から次へ燃料を食べてはおびただしい排泄物を吐き出している。この「ゾウの糞」も環境にやさしい紙や燃料、薬剤に様変わりさせることはできないか。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、総会基調演説で「グローバルグリーン成長研究所」を来年上半期に韓国に設立すると発表した。雀の魔法のほうきが出るだろうか。
ク・ヒリョン政治部門記者
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