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先月19日、日本・東京の霞ヶ関。ここの国土交通省(韓国の国土海洋部に相当)で会った首都機能移転企画課の公務員はすぐに600ページ分量の書類を差し出した。1990年から首都移転を推進しながらどんな議論があったかという質問に対する無言の回答だった。韓国の世宗市(セジョンシ)に劣らない激論を察することができた。
日本では衆参両院が「国会等の移転に関する決議」を採択し、この問題が始まった。象徴的な存在ではあるが天皇が東京に残り、立法・行政・司法府を移す内容であるため、「首都機能」移転という表現が使われた。
◇韓国と似た論争=首都機能移転が必要だとして提示された根拠は▽東京集中の緩和▽国政全般の改革の推進▽地震など災害対応力の強化--の3つ。
東京集中について、国土交通省は日本の面積の3.6%にすぎない東京圏に人口の27%、名目国内総生産(GDP)の32%、資本金10億円(約130億ウォン)以上の企業の本社の59%が集中していると説明した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が首都圏過密の解消のために行政都市が必要だと主張したのと同じだ。
国政改革のために必要だという論理も韓国と似た部分がある。移転に賛成してきた日本生産性本部の内山和憲研究員は「日本は8世紀末から約400年周期で歴史的な流れが変わる度に首都を移してきた」と説明した。続いて「東京に政治・経済がすべて集中して深刻になった政経癒着をなくし、地方分権を促進するには移転が必要だ」と主張した。
盧前大統領が04年、「歴史・小説を見ると、旧勢力の根元を離れて新しい勢力が国家を支配するための場所を定めるために遷都が必要だった」と述べたことを連想させる。
国会決議案採択9年目の99年、「国会等移転審議会」は栃木・福島、岐阜・愛知、三重・畿央の3地域を移転候補地に決めた。移転が表面化すると、現首都の東京が激しく反発したのも韓国と似ている。東京都は1万人が参加した反対集会まで開いた。首都移転の費用・便益を考えると最大6兆3300億円の損失という計算も出てきた。
東京都にはまだ首都移転反対担当職員がいる。東京都地方分権推進室の酒巻亮弘氏は「首都を移しても流出する人口はせいぜい1.7%。交通混雑のような過密問題は首都移転では絶対に解決できない」と主張した。
世宗市の代案、外国の事例から学ぼう…推進を中断した日本(2)
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