小学校の運動会の定番、二人三脚。2人の呼吸を合わせて走るのも容易でないこの競技だが、日本では30人がともに挑む大会がある。「小学生クラス対抗30人31脚全国大会」。1クラスの平均人員30人が、隣り合う足をひもで結んで、50メートルを走る記録競技だ。30人が横並びになって走るため、先にゴールインした児童ではなく、記録は最後に到着した児童を基準とする。不正なスタートは1回まで許し、出発ラインからゴールまで1分を超えれば失格処理となるのがこの競技のルールだ。
あるテレビ局が毎年、年末の特番として制作、放送している同大会の決勝戦は人気が高い。今年の決勝戦には地域の予選を通過した10クラスが出場した。はちまきをしっかりしめて、力強く合言葉を叫ぶ子どもたちが出発ラインから到着の地点まで、巨大な波のように走る時間はおよそ9秒。この短い時間の中には、一つの目標に向かって1年以上にわたり涙と汗を流した子どもたちの感動のドラマが含まれている。
1学級には身長・体力・運動能力・性格などが異なる約30人の児童が集まっている。50メートルを7.5秒で走る男児がいれば、10.4秒で完走する女児もいる。こうした子どもたちが2人、足をひもで結び、練習を始めると、最初は大半が転んでしまう。互いのミスを指摘し、傷付けられた子どもは、家に帰ってしまうこともあれば、喧嘩をすることもある。教師は子どもたちが自ら解決策を見いだすよう助けるだけで、命令はしない。
試行錯誤の末に子どもたちが見つけだした解答は「弱者を思いやり、心がひとつになってこそ完走できる」ということだ。そのときからは子どもたちが変わる。よく走る子どもが、足の遅い子どもと1組になって練習をする。冬季の午後4時半になると日が暮れる北海道では学校の廊下で、放課後になると皆が塾に通う東京の子どもたちは朝の7時に登校し、それぞれ練習を行う。記録を短縮するためには人員が30人になるのが有利だが、35人、40人のクラス全員が参加したチームもあった。
今年の決勝戦ではひもがほどけ、途中でしめなおして再スタートするチーム、ゴールインの直前に転び、泣きながらひもをしめなおして完走したチームもあった。最終の勝者は1チームだが、教師と生徒、親は「友達とひとつになれたことは小学校の忘れられない思い出」と口をそろえて言う。
日本の学校のこうしたスポーツ教育は中・高校時代、部活というサークル活動につながる。各種のスポーツはもちろん、オーケストラ、化学、アニメーション映画など、各自の趣味活動を通じて若さを発散し、友達と学生時代の思い出を作る空間だ。
日本人に会ってみると、大半が「学生時代、学校のカリキュラムによる活動よりは、この部活動を通じて多くのものを学んだ」と話す。自然と韓国の児童の姿を思い浮かべた。授業が終われば直ちに塾に直行しなければいけない子どもたち、勉強に役立たない活動は禁じる親。敢えて他人のことに触れる必要もない。数年前に合唱班で歌いたいという小学生の娘に「外部のイベントが多く勉強の時間が足りなくなるから、1年だけ活動してやめよう」と勧めたのが、ほかでもなく筆者だからだ。
東京=パク・ソヨン特派員
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1学級には身長・体力・運動能力・性格などが異なる約30人の児童が集まっている。50メートルを7.5秒で走る男児がいれば、10.4秒で完走する女児もいる。こうした子どもたちが2人、足をひもで結び、練習を始めると、最初は大半が転んでしまう。互いのミスを指摘し、傷付けられた子どもは、家に帰ってしまうこともあれば、喧嘩をすることもある。教師は子どもたちが自ら解決策を見いだすよう助けるだけで、命令はしない。
試行錯誤の末に子どもたちが見つけだした解答は「弱者を思いやり、心がひとつになってこそ完走できる」ということだ。そのときからは子どもたちが変わる。よく走る子どもが、足の遅い子どもと1組になって練習をする。冬季の午後4時半になると日が暮れる北海道では学校の廊下で、放課後になると皆が塾に通う東京の子どもたちは朝の7時に登校し、それぞれ練習を行う。記録を短縮するためには人員が30人になるのが有利だが、35人、40人のクラス全員が参加したチームもあった。
今年の決勝戦ではひもがほどけ、途中でしめなおして再スタートするチーム、ゴールインの直前に転び、泣きながらひもをしめなおして完走したチームもあった。最終の勝者は1チームだが、教師と生徒、親は「友達とひとつになれたことは小学校の忘れられない思い出」と口をそろえて言う。
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東京=パク・ソヨン特派員
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