歴史は2位を記憶しない。 まして失敗した冒険などは記録さえもほとんど残らない。 しかし例外もある。 アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)の南極探険はその適切な例だ。 ライバルのアムンセンとスコットに南極点征服を奪われたシャクルトンは、1914年、南極大陸横断という大胆な計画を立てた。 結果は失敗だった。 しかし彼の冒険は「偉大な失敗」として記憶される。 2年近い死闘の末、27人の隊員全員を無事に帰還させた彼の不屈のリーダーシップは、今でも高く評価されている。
シャクルトン探険隊が残した写真は、当時未知の大陸だった南極の姿を生き生きと伝えた。 海に浮いた氷山、座礁したエンデュアランス号、静けさを越えて恐怖を感じさせるウェッデル海の風光、かつてオットセイの猟場だったエレファント島の荘厳な威容は、大自然の驚異を改めて悟らせる。 天気が寒くなった今の時期に南極の話をするのは、南極が地球環境のバロメーターであるからだ。 南極のオゾン層破壊も問題だが、次第に減っている南極の氷山も環境危機の代表的な証拠とされている。
ここまでくると、私が何を言いたいのか読者はもう気づいているかもしれない。 今デンマークのコペンハーゲンでは、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開かれている。 18日まで続く今回の総会は、気候による災難を防ぐために世界105カ国の首脳が出席する歴史的な会議だ。 この会議には3種類のコードが含まれていると私は考える。
一つ目は環境学だ。 最近、南極研究科学委員会(SCAR)は未曽有の危機に直面した地球の気候に対し強く警告している。 現在の温暖化が続く場合、2100年には海水面の水位が上がり、インド洋のモルディブや太平洋のツバルなどの島国が浸水し、ロンドン・ニューヨーク・上海などの大都市は洪水予防に数十億ドルを支払うことになる、と予想した。 世界人口の10%にあたる6億人以上が環境難民に転落するというのが、SCARのぞっとさせる展望だ。
二つ目は政治学だ。 状況がこうであるだけに、コペンハーゲン会議では京都議定書に代わる新しい気候協約を準備しなければならない。 しかし先進国と開発途上国の見解の差と国家利己主義のため展望は不透明だ。 はっきりしているのは、交渉の核心である気候変動対策の費用と1兆トン以上の二酸化炭素排出権の分配をめぐる先進国と開発途上国の合意を引き出さなければならないという課題を、コペンハーゲン会議が抱いているという点だ。
【中央時評】コペンハーゲン会議の厳正な課題(2)
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