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【グローバルアイ】政権公約ジレンマに陥った鳩山政権

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国では今年もイシューが多かった。 世宗(セジョン)市問題は今でも進行中だ。 海外に出ている人たちの間でも懇談会などで会えば話題にあがるほどだ。 原案通り進めるべきだという忠清道(チュンチョンド)の人の話を聞くとそれに共感し、副作用を勘案して計画を修正すべきだという話を聞けばまた気持ちが動く。 双方ともに主張があり、説得力がある。 それだけに出口がない議論だと感じたりもする。

しかしこの問題は、日本の鳩山政権が抱えている「マニフェスト(政権公約)のジレンマ」とよく似ている。 したがって示唆点がある。 日本民主党が自民党の牙城を54年目にして初めて崩した原動力は、新しいビジョンと夢を込めた政権公約だった。 主体的な外交をし、政府行政を改革し、福祉政策を強化するという耳が傾く話だった。 日本国民はこれを信じて民主党を積極的に支持した。 しかし日本はこの「契約書」をめぐって混乱している。

沖縄米軍基地の外部移設がその代表例だ。 この公約は日米同盟の亀裂という副作用を招いた。 しかし鳩山首相は「沖縄住民との約束だ」とし、これを覆せない。 最近一緒に食事をした民主党議員は「外交分野の看板公約なので本当に困惑している」と内心を打ち明けた。


世宗市問題と似た群馬県の八ツ場ダム建設中止も同じだ。 民主党は官僚らが握る公共事業を縮小するという公約に基づき、全国143件のダム建設計画を見直し対象に含めた。 八ツ場ダムはこの政策の象徴だ。 住民は断固反対を叫んでいる。 ダムを建設しても効率性がなく予算を浪費するだけだと説明しても効果がない。

福祉公約の看板である児童手当も悩みの種だ。 中学校卒業まで毎月2万6000円を支給するこの約束を守るには、毎年5兆円が必要になる。 鳩山首相は「国民との契約は守らなければならない」と繰り返し話しているが、円高とデフレが圧迫する日本経済はこうした公約を後押しする余裕がない。 不況で税収が減少し、財政赤字が悪化し、来年も1%の成長を期待するのは難しいという見方が大勢だ。 デフレは3年続くと予測されている。 これを「鳩山不況」だと心配する人も大きく増えた。 福祉公約の修正が避けられない。

世宗市問題は日本の状況から他山の石が見える。 公約は無条件に守るべきだというドグマに陥り、改善の余地があるにもかかわらず伏せていてはならないという事実だ。 実際、鳩山政権も内部的には出口を探している。 無理な公約については変更の可能性をメディアに流し、世論を探るなど機会をうかがっているのだ。 票のために言葉が先立ったが、守れない公約は変えるのが純理であり、国益のための道であるからだ。

時々目を外に向けると、複雑な懸案が客観的に見える時がある。 世宗市問題も同じだ。 遠くを見る必要はなく、公約の罠から抜け出せずにうなっている日本がどんな状況にあるかを少し見るだけでいい。 きっと世宗市問題を冷静に眺められる機会になるはずだ。

                                 金東鎬(キム・ドンホ)東京特派員



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