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戦乱に、帝国主義・日本の破壊に、開発により消えてしまったと思われていた朝鮮(チョソン 1392~1910)の500年にわたる都、漢陽(ハニャン、ソウルの旧称)が、地下深くにそのまま残っていた。
東大門(トンデムン)運動場の地下からは高さ4メートルの二間水門(都城の外部に水を引き出すための2つの門)が完全な形で発掘され、最近、東大門駅舎公園に復元、展示された。ピマッコルの下からは宝物級の白磁大壺3点を発掘し、朝鮮時代の名器(墓地の副葬品)も出土した。ソウル市新庁舎の敷地一部からも宝物級の火砲(朝鮮中期)など遺物や数十の建物址が発見された。だが発掘する前、すでに地下5階の深さまで鉄製のエイチ形鋼をいくつか打ち込んでしまった後だった。
◇都心の地下は宝物の倉庫=最近開かれたソウル市新庁舎敷地発掘指導委員会で、パク・ソングン文化施設事業団長は「新庁舎の敷地には地下防除施設が設置されていて、すでに文化財が傷付けられた状態だと判断していた」と釈明した。朝鮮の痕跡が残っているとは知らなかったということだ。最近ソウル中心部の再開発とともに発掘された朝鮮時代の遺跡は、地下1.5~6メートルの下にまでまんべんなく分布されていた。
世宗路(セジョンノ)の地下1.5メートルからは六曹(ユクジョ)通りの遺跡層が、慶喜宮(キョンヒグン)の地下6メートルからは17世紀・光海君(クァンヘグン 朝鮮第15代王)ころの地層が見つかった。先祖は戦乱で燃えてしまった家の跡地に、適当に土を覆って家を作り、暮らしていたのだ。
京畿道(キョンギド)文化財研究院の趙由典(チョ・ユジョン)院長は「今からでも開発の方向を変更またはストップさせる必要がある」と指摘した。趙院長は「ソウルの4大門内だけでも保存できたならば世界的な観光スポットになったはずだが、朝鮮時代を感じながら宿泊できる旅館ひとつすらない」とした後「意識的に韓国の歴史を無視していながら、いかにしてルーツを檀君(朝鮮の伝説上の始祖)に見いだすというのか」と反論した。
現在、再開発対象となる地域の建物の大半が低層で、地下を深く掘っていない。文化財がそのまま残っている理由だ。しかし現在開発中の建物は地下5~6階まで掘り下げる趨勢(すうせい)であることから「地下の宝物倉庫」が破壊されるほかない。ナ・ソンファ文化財委員は「4大門内は“文化修復地区”にするのが正しい」とした上で「先進諸国の事例を参考にし、遺物と遺跡をどう保存すべきかについて深く話し合わねばならない」と述べた。
池健吉(チ・ゴンギル)埋蔵文化財分科委員長は「現在のソウル市の開発計画通り進む場合“ソウル”は完全になくなる」とした後「ソウル全般や4大門内、それも無理ならば古地図をもとに保存すべき部分を選別すべきだ」と強調した。
◇地下文化財、記録にでも残すべき=現行の文化財保護法によると、新築・再建築の敷地が3万平方メートル未満ならば、所轄区役所との協議の下、文化財の地表調査を省略できる。例えば清渓川(チョンゲチョン)をはさんで、鍾路区(チョンログ)所轄の寛鉄洞(クァンチョルドン)5-13は発掘中であり、中区(チュング)所轄の水標洞(スピョドン)88-1は地表調査なくビルを建設中だ。問題になったソウル市新庁舎の敷地も中区が所轄する地域だ。発掘関連実務者の間では「鍾路には学芸員がいるが中区には学芸員がおらず、文化財関連建築の認許可にも違いがある」というのが定説となっている。
ソウルの地下は「宝物の倉庫」…どうすべきか(2)
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