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【コラム】抗日独立闘士の足跡を求めて

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
安重根(アン・ジュングン)義士がハルピン(哈爾浜)駅で伊藤博文を射殺してから100年になる今年、各団体が安重根義士を称える学術シンポジウムやイベントを多く開催している。

筆者も11月下旬、その関連で中国を訪れた。独立運動家の安重根、申采浩(シン・チェホ)、李会栄(イ・フェヨン)の「東洋平和論」を再評価する学術会議への出席と、それらが殉国した旅順の監獄などを踏査するためだった。学術会議で筆者は日本側の安重根研究、特に同氏の「東洋平和論」について研究した内容を発表した。筆者は他の出席者の発表を通じて申采浩と李会栄もそれなりに「平和論」を主張していたということを知った。

それらは独立運動家だっただけでなく、平和論者であり、それらにとって独立運動とは「独立平和運動」であったという事実を新たに認識でき、大きな収穫だった。韓国の独立闘士の運動を帝国主義・日本に対抗する民族主義の発露としてのみ考えたが、そうした見方を脱却し、帝国主義を克服しようとした平和運動の一環として普遍化していく努力が今後の課題だと考えた。


シンポジウムの後、出席者らは旅順監獄を見学した。そこで上述した3人の独立運動家が収監された独房、看守らの部屋、囚人の教育場、死刑を執行する場などを見回った。絞首刑を行った場所は当時の残忍な風景をそのまま伝えていた。執行する場のそばには死刑囚が待機する部屋があったが、刑の執行を待たなければならなかった人々の悲痛な気持ちが感じられた。絞首刑になった遺体は床にあけられた穴を通じてそのまま非常に小さな箱に落とされ、そのまま監獄の裏の共同墓地に、名札もなく埋蔵された。

3人の独立運動家が埋蔵されたとみられる共同墓地の跡を見回ったが、埋蔵した位置がどこだと確定することはできないようだった。しかも、その場に数年後にはマンションが建てられるという話を聞くと、切なくなった。今回の旅行には李会栄闘士の息子、イ・ギュドンさんと孫の李鍾賛(イ・ジョンチャン)元国会議員が同行したが、父親(祖父)が殉国した旅順監獄と荒廃化した共同墓地を歩き回る2人の心情がどんなものかがわかるような気がした。

筆者は売店で安重根義士が死刑執行の直前に、同氏を尊敬していた日本人看守、千葉十七に渡した書道の写本を購入し、帰国後にそれを研究室の壁にかけた。千葉家門では長年家宝として受け継がれている文だという。千葉が安重根を尊敬していた、当時の過酷ながらも平和だったそれらの思い出が、筆者にも蘇ってくるようだった。

丹東に移動し、北朝鮮がよく見える鴨緑江(アムノッカン)の入口で船に乗り、北朝鮮領土付近まで進んだ。向かい側の北朝鮮の川沿いで人々が行き来する姿が見えた。最近、米国人女性記者ら2人が上陸したが、逮捕された場所でもある。その後、丹東の北朝鮮食堂で昼食を取ったが、女性従業員全員が北朝鮮人だった。大半が北朝鮮高官らの子女だという。記念撮影を提案したが「写真はダメ」と断られた。それから高句麗(コグリョ、B.C.37~A.D.668)時代の遺跡地を踏査し、独立運動家が活動していた場所を見学した後、瀋陽から韓国へ向かった。

筆者は博士号をとった論文で「帝国主義・日本の同化政策」について書いたが、今回の旅行はその論文を補完できる独立運動史に接することができた大切な機会であった。こうした機会を与えてくれた方々に重ねて感謝の言葉を申し上げたい。

                          世宗(セジョン)大学 保坂祐二教授(日本地域学)



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