政府は最近、約１年後に韓国で開催される第５回主要２０カ国・地域（Ｇ２０）サミットの準備委員会を公式にスタートさせた。Ｇ２０サミットの開催は、韓国の国家的な力量の向上と同時に先進国入りに向けた歩みを早められるこの上ない最高のチャンスといえる。したがって、参加諸国との連携を緊密化し、議題の開発や調整の役割を遂行することによって、Ｇ２０サミットの定着化に向けた主導的な役割を果たさなければいけない。

韓国は２０００年のアジア欧州会議（ＡＳＥＭ）首脳会議（アジア・欧州の２６カ国の首脳が出席）と０５年のアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議（アジア・太平洋地域の２１カ国の首脳が出席）など、すでに２回にわたって多国間首脳会議を成功裏に終えた経験がある。これら大規模な首脳会議は会議そのものの成功だけでなく、会議を招致したソウルのＣＯＥＸ（韓国総合貿易センター内の総合展示館）建設など国際会議産業の発展や、国際都市を目指す釜山（プサン）の躍進に重要なきっかけをもたらしたことがある。

Ｇ２０サミットも、短時間で経済発展と民主化を同時に実現した誇らしい韓国の姿をアピールできる非常に重要な場となるだろう。この会議は韓国の優秀な伝統文化の水準を世界に披露できる絶好のチャンスでもある。韓国の歴史と伝統文化がその優秀性に比べ、国際社会ではそれほど知られていないのが事実だ。ハングル、韓国料理、韓流など誇らしい韓国文化がグローバル化に向けた第一歩を踏み出した今、韓国伝統の文化芸術、観光スポット、韓国伝統のもてなしなどを世界に知らせることができるだろう。


会議には各国の首脳と高官、随行員、特に多くのマスコミ関係者が出席することになる。世界主要国の首脳らの活動ぶりを取材するため、世界の主要メディアが熱い取材競争を繰り広げ、韓国としてはお金に換算できない広報効果を確保することになる。すでに会議場として漢江（ハンガン）の人工島が取りあげられているが、筆者は夕食会の会場として国立中央博物館を提案したい。ここで夕食会が行われれば、参加国の首脳らが博物館の展示品を通じて韓国の伝統、歴史と文化芸術に自然と接することができる。

首脳会議の議題などその内容を調整、主導する韓国の役割は参加諸国との連携を通じて協力的に進められるだろう。しかし会議期間を通じて韓国文化とアイデンティティーを最大限に知らせる作業は、全的に韓国だけの役割であり、首脳会議開催成功の決め手になると信じる。現在、国際社会は抜本的な構造転換の時期に置かれている。Ｇ２０はこうした転換期の国際的な諸懸案を解決するための連携の場といえる。今後▽各国の持続可能な成長の枠組みづくり▽国際金融システムの改革▽先進諸国と発展途上国の連携強化－－など国際社会の協力体制で、重要な役割を果たすことになるだろう。Ｇ２０サミット準備委員会は一寸の隙もないよう準備に万全を期して「グローバルコリア」の具現の画期的なきっかけにし、国家の品格とコリアブランドの価値を向上できるようにしてほしい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　任晟準（イム・ソンジュン）韓国国際交流財団理事長



【今日のイチオシ記事】
・ 違法コピーは日米の２倍…ＩＴ競争力低下の韓国はＳＷ後進国
・　キム・ヨナ、日本でも人気…「やはりワールドスター」
・　【ドバイショック】現地韓国企業の影響は
・　林権沢監督、１０１作目の話頭は「世界に韓紙を知らせること」
・　北朝鮮、電撃デノミ「５つの理由」
・　政府「鉄道ストは不法」…強硬対応へ