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写真3枚が語る。 彼には恐れ入る。 もっと言うなら老獪だ。 最近アジアを歴訪したオバマ米大統領のことだ。 最初の写真は誰が見ても破格だ。 明仁天皇に90度の礼をするオバマは謙遜の極致だった。 日本の位相と沖縄米国基地移転問題を考慮してもそうだ。 翌日、米メディアから非難が相次いだ。 「卑屈」という表現も出てきた。 オバマはこうなることを考えていなかったのか。 そうでないはずだ。 オバマは米メディアの非難が激しいほど、今後の対日外交で多くのものを得られると確信したようだ。 その後、数日も経たないうちに、日本の産経新聞は米国と対立する鳩山政権を韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権と比較しながら批判した。 オバマは米国を低めることで、自分が言いたいことを日本に自ら言わせた。
2枚目の写真も注目する必要がある。 中国の温家宝首相と握手しながら、オバマは45度ほど頭を下げた。 一方、温首相は真っ直ぐに立ったままオバマを迎えた。 オバマはまた謙った。 米国経済が中国のおかげで持ちこたえたという言葉もためらわずに述べた。 また米国と中国、すなわちG2のリーダーシップを強調した。 温首相はオバマの意中を読んだが、すでに遅かった。 2日前に上海で大学生と会い、中国と米国が協力して国際問題を解決するリーダーシップを見せるべきだと強調し、この話は世界のメディアに乗った。 オバマが中国をすでに米国と対等な位置に上げてしまった後だった。 今では胡錦濤・国家主席が否定しても、国際社会で中国の責任は次第に大きくなるしかなかった。
3枚目はオバマの後ろ姿だ。 万里の長城の上で、限りなく広がる城を眺めながら思いに浸るオバマの姿だ。 長城に上がったオバマの最初の言葉は「神秘的」だった。 中華文明の精髄に対する感嘆だ。 オバマはここで中華文明の神秘と卓越だけを見たのだろうか。 そうではない。 信じがたい長城の築造に動員された民衆の苦痛も同時に見たはずだ。 そしてその時代の封建性が今日の中国につながっていないか疑ったかもしれない。 これには根拠がある。
オバマは忙しい訪中期間中、広東省広州で発行される「南方週末」という週刊誌とインタビューをした。 オバマはなぜCCTVや人民日報など中国の看板メディアではなく、小さな地方紙のインタビューに応じたのか。 この週刊誌はその間、中国社会の不正を暴き、当局から何度も受難を経験したという前歴があった。 オバマにはその週刊誌が真のメディアだった。 翌日、インタビューは検閲を受けてカットされた。 オバマは中国に言論の自由がないとは言わなかった。 その代わり中国が自らこれを認めて世界に知らせるよう地ならしをした。
北京人民大学国際関係学院の金燦栄副院長はオバマ外交を「責任アウトソーシング」(責任外包)とし、舌を巻いた。 金副院長はオバマについて一言語った。 「大智若愚、仮痴不癲」。賢者は才能を誇らないため、愚者に見えるだけだということだ。
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