気象庁が最近発表した今年冬の気候予想によると、全般的には温かいが、寒波や大雪に度々襲われるなど変化が激しいという。 この数年間、地球村では異常高温や寒波・干ばつ・暴雨・大雪による被害が頻発に発生しているが、今では「異変」という用語自体が合わなくなってきたという感じもする。
気象の異変をもたらす代表的な要因の一つにエルニーニョ現象が挙げられる。 今年の冬もエルニーニョ現象がピークに達し、世界的の天気と気候が荒れるという。
エルニーニョとは、具体的にはペルー・エクアドル西部の熱帯海上で水温が平年より高まる現象をいう。 南アメリカの西部沿岸は貿易風と海流により深層の冷たい海水が上がってくるため、年中水温が低く、栄養塩類が豊富で良い漁場になる。
ところが貿易風と海流の力が弱まれば、赤道付近の暖かい海水が押し寄せて温度が上がり、さまざまな異常現象が発生する。 海の栄養塩と溶存酸素が減少して漁場は荒廃化し、上昇気流によって南アメリカの近隣地域では暴雨や洪水が増え、他の地域にも大きな影響を及ぼすことになる。 これがまさにエルニーニョ現象だが、本来の単語の意味を考えると何かを暗示しているような気もする。
エルニーニョとは元々スペイン語で男児を意味するが、具体的には「クリスマスの子」を縮めた言葉だ。 すなわち、神の子である赤ちゃんイエスを意味することになるが、エルニーニョ現象が毎年12月末のクリスマスの頃に合わせて発生するため、こうした名前がついたという。 スペイン語圏のペルーの漁師は昔から、魚が大量死し、暴雨などによる被害が発生する度に「赤ちゃんイエスがやってくる」と言って恐れていたということだ。
人類を救いに来るべき赤ちゃんイエスが、恐ろしい気象異変と災害をもたらしながら現れるというのは非常に逆説的に感じられたりもするが、もしかすると環境破壊と地球温暖化による全地球的災難をあらかじめ人類に警告するために来ているのではないだろうか。
もちろん地球温暖化とエルニーニョに直接的な関係があったわけではなく、地球温暖化による異常気候現象が注目されるずっと以前からエルニーニョ現象は発生していた。 ところが近年は南東太平洋だけでなく、太平洋の中央でもエルニーニョが時々発生するなど変化が生じているが、これと地球温暖化が関係していることを韓国の科学者が明らかにした。
韓国海洋研究院の研究陣は「エルニーニョの発生場所が移動した理由は、大気中の二酸化炭素増加による地球温暖化のため」という研究結果を最近、学術誌「ネイチャー」に発表した。 また米国の研究陣は新しいエルニーニョが大西洋のハリケーン発生頻度を高めると主張したが、新種エルニーニョは「似ている」ことを意味する日本語の接尾語を付けて「エルニーニョもどき」(El NinoModoki)と呼ばれる。
誰でも気象異変を考えず、赤ちゃんイエスの誕生を祝福する楽しいクリスマスを迎えたいが、今年の冬の気候も異常であればそれは因果応報だろか。
チェ・ソンウ韓国科学技術人連合運営委員
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もちろん地球温暖化とエルニーニョに直接的な関係があったわけではなく、地球温暖化による異常気候現象が注目されるずっと以前からエルニーニョ現象は発生していた。 ところが近年は南東太平洋だけでなく、太平洋の中央でもエルニーニョが時々発生するなど変化が生じているが、これと地球温暖化が関係していることを韓国の科学者が明らかにした。
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