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【社説】せっかちな様子を見せる総合少子化対策

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
未来企画委員会が主導して出した「李明博(イ・ミョンバク)政府の少子化対応戦略」はまるで総合ギフトセットを連想させる。これまで各界で指摘してきた関連対策を網羅している。ひとまず政府がこれまで行ってきた低所得層中心の金銭支援が中心の発想から脱皮し、やや実効性のある政策を展開する意志を明らかにしたのは歓迎するに値する。少子化現状の原因が複合的なだけにその対応も多様な次元で行われるのが当然だからだ。

しかし一部不十分な対策を不十分な検討で発表から先にしたのは問題だ。子どもの養育負担軽減対策として優先的に掲げた満5歳就学推進が代表的だ。この案は教育科学技術部内でさえ異見が出るほど論議を呼んでいるテーマだ。幼い年齢で就学させ、学校生活に適応できない事例が多く、むしろ就学を後に延ばす家庭が増えているのが現実だ。それに保育費を減らし、女性たちの社会復帰を繰り上げる効果があるという政府の説明は全体を理解していないものだ。子供を幼稚園に一日中預ける方が学校に行かせるより共稼ぎ夫婦には都合がいい。退勤時まで面倒を見てくれる放課後学級が活性化されていない現在としては、下校後、子どもをこの塾からあの塾に移し回すほかないからだ。

3人以上の子どもをもつ多子女家庭に対し、大学進学時に優待するとか親の定年を延ばす案も論難の余地が多い。昨年の出生率の統計を見ると、第2、3児より第1児の出生減少幅の方がずっと大きかった。出生率を上げようとすると、すでに2人の子どもをもつ家庭が第3子、4子を生むことより、若い男女が結婚と出産を躊躇しないよう、よい条件を作ることの方が急を要するという話だ。


その解決策は今回の対策の中にすべて入っている。仕事と家庭を両立できるよう、家族にやさしい企業文化と社会の雰囲気を定着させ、政府は質の良い保育サービスを拡大すればよい。問題は、言葉のように実践は容易ではないということだ。例えば女性にだけ養育の荷を背負わせる意識を変化させるために、男性の育児休業活用を奨励する案もそうだ。昨年、育児休業者2万9145人のうち男性は355人にすぎなかった。「奨励」だけでどれだけ増えるのか未知数だ。北欧のように育児休業の一部を必ず男性が使うよう義務づける格別の対策を検討してみなければならない理由だ。夫が子どもの養育など家事分担に積極的な場合、2人目の子供の出生率が目立って高くなるというのが先進国の研究結果だ。

妊娠中絶の防止も急ぐことばかりが能ではない。2005年、保健福祉家族部の調査結果、34万件の中絶手術のうち14万4000件が未婚女性だった。未婚の母を「シングルマザー」と言い換えたところで、これらの女性と子どもに対する差別は消えない。出産を勧める前に、多様な形態の家族に対する韓国社会の包容性から育てていくのが手順だ。政府はせっかちにならず今回出した“総合対策セット”のうち、有効なものから強力に推進していってほしい。



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