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【その時の今日】軍国主義の三島由紀夫「天皇陛下万歳」叫び割腹

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



1970年11月25日午前10時40分。

3回もノーベル文学賞候補になった日本を代表する天才文人、三島由紀夫は自身に追従する「楯の会」のメンバーら4人とともに、東京の陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地内東部方面総監部に乱入した。人質にとられた総監は、自衛隊員を集合させろという要求に応じた。


「七生保国」。7回生まれても天皇のために命を捧げる、という文句が記されたハチマキを額に巻いた同氏は、2階のバルコニーから練兵場に並んだおよそ1000人の自衛隊に向かって大声で叫んだ。「今、日本の魂を維持するのは自衛隊だけだ。日本を守るということは血と文化の伝統を守ることである。諸君は侍だ。諸君を否定する憲法をなぜ守るのか。私に従う者はないか」。

テレビのカメラが同氏の一挙手一投足を追って生中継していたが、同氏に戻ってきたのは冷笑と揶揄(やゆ)だけだった。呼応を得られなかった同氏は極端な選択をした。「天皇陛下万歳」を叫んだ同氏が総監室に戻り、短刀で腹を切った瞬間、後ろに立っていた追従者が長剣で首を切った。侍の割腹自殺を通じて同氏が日本社会に投げかけようとしたメッセージは何だったのだろうか。

69年5月に新左翼運動のメッカ、東京大学で開かれた全学共戦会議との討論会の席上で同氏が吐きだした挑発的な言葉がこれを物語っている。「君らが一言“天皇陛下万歳”と叫んでくれれば俺は喜んで君らと手をつなぐ(共闘する)のに、いつまで経っても言ってくれないから互いに“殺す、殺す”と言っているだけさ」。

同氏にとって天皇は「日本の歴史・文化・伝統の中心」であり、生きている現人神で、絶対的存在であった。しかし、米国が作った平和憲法の中の天皇は「国政に関する権能を持たない国民統合の象徴」であるだけだった。同氏の目に映った当時の日本は、日米同盟という安保の枠組みの中で経済的豊饒(ほうじょう)に安住し、国を守れる軍隊も持たず、情けない「米国に従属した国」だった。

同氏が守ろうとした、いや蘇らせようとした天皇は「統治権の総覧者」であり、「祭事国家の首長」として神国の統治者であるべきだった。同氏にとって天皇は、米国という罠を切り出せる「現状否定の象徴」であり、変革を導き出せる求心点であった。

同氏の割腹をきっかけに、反共を掲げ、米国に盲従していた従来の右翼とは明確に区別される「反米志向」の新右翼が登場してから40年が過ぎた今日。54年ぶりに政権交代を果たした民主党の対米政策から三島の影を感じるとしたら行きすぎた杞憂だろうか。



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