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【コラム】過去史に「清算」はない-親日人名事典の後(下)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
親日過去史の清算問題は「親日人名事典」を契機にヤマ場を迎えた。 残念ながら現在、対立は解消されていない。 過去史清算至上主義者は解放後の宿題を終えたと得意になっているが、「この時代になぜ親日派問題か」と首を横に振る人のほうが多い。 心配されるのは「私たちの歴史は誇れるものでない」という自己侮蔑の心理だ。 どのようにこうした認識の内戦を省察し治癒するのか。「世界の過去史清算」(プルンヨクサ出版)をまず手にとって読んでみよう。 ちょうどいい参考図書だ。

ソウル大の安秉稷(アン・ビョンジク)教授(西洋史)ら共著のこの本によると、過去史の清算は、騒々しい20世紀を経験しなければならなかったすべての国の共通の宿題だ。 フランス・スペイン・チリなども内戦・独裁・外勢の侵入を経験し、そのために過去史の清算という負債を抱えた。 問題は誤った固定観念だ。 多くの人々が「フランス・ドイツ・南アフリカは過去の清算に成功したが、スペイン・ロシア・チリは失敗した。 韓国も代表的な失敗事例だ」と考えている。 しかし過去の清算の模範答案などはどこにも存在しない。 それが真実だ。 売国者をすべて捜し出す人的清算に成功した国もない。 成功事例として知られてきたフランスも同じだ。

フランスが第2次世界大戦後にナチス加担者12万人を司法処理したのは事実だ。 しかしそのような人的清算は1951-53年の赦免令後すぐにうやむやになった。 ド・ゴール中心のレジスタンス運動も誇張された神話と指摘されている。 「多くのフランス人は粛清作業に高い点をつけていない」(103ページ)。


半面、スペインは清算の正反対の道を選択して成功した国だ。 スペイン現代史は韓国とそっくりだ。100万人が犠牲になった内戦、フランコ独裁36年、そして独裁期間に成し遂げた経済成長まで同じだ。 しかし75年のフランコ死亡後、「過去問題を暴かずに済ませたことで大きな混乱なく民主化を成し遂げた」(292ページ)というのがこの本の評価だ。 どの国がよく、どの国がよくないのかは、その質問自体が誤りだ。 フランスモデル・スペインモデルのうち正答があるわけではない。 自ら揺れることのない基準で清算モデルを作らなければならず、それに基づく社会的な合意を得なければならない。 今の時代、すべてのものを一掃して新たにスタートしなければいけないという強迫観念から捨てる必要がある。 それは下手な早急主義であり、過去に対する不平だ。 また歴史は民族の精気・正義のための善悪の実験場ではない。実際、韓国現代史は「過去の問題の総合セット」だ。 同族間争い・独裁・外勢の侵入をすべて経験している。

チリ・スペイン・フランスをすべて合わせた痛みであり、この渦中に自滅してしまう可能性もなくはなかった。 驚くことに私たちはこれを踏んで近代化革命に成功した。 第2次世界大戦後に独立した非西側140カ国のうち、民主化・経済成長・市民社会を成し遂げたのは私たちが唯一だ。 誰がこれを否定するだろうか。なら「親日人名事典」後の私たち選択は自明ではなかろうか。消耗的な内出血を繰り返すのか、過去を抱えて未来を準備する新しい地平を確保する知恵を発揮するのか。

                                  趙佑石(チョ・ウソク)文化評論家



【コラム】後に生まれた者が歴史に石を投げるのか-親日人名事典の後(上)


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