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【その時の今日】出迎えもなく寂しく帰国した臨時政府要人

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



「私はこの話を耳にしたとき、喜ばしい知らせというよりは天が崩れ落ちたような衝撃を感じた」--。

大韓民国臨時政府の主席、金九(キム・ク 白凡)は長崎に原爆が投下された翌日の1945年8月10日夕、帝国主義・日本が連合軍に降伏するだろうという話を聞いたにもかかわらず、喜ぶことができなかった。光復(独立)軍が韓国内に進入する作戦に踏み切る直前、突然やってきた日本の敗亡が金九は残念だった。


「先生。祖国が解放されたことを10とすれば、7は我が愛国的は烈士の血と汗であるはずだ。しかし不幸にも残りの3を、我々の力で成し遂げられなかったため、我々の解放は、百科事典に新たな解釈を追加で掲載しなければいけない奇怪な内容となってしまった」。白凡(ペクボム)の言葉通り、自力で獲得できなかった幸福は甘いものというよりは辛い苦痛として迫ってきた。

「帰国し、政権を国民に奉還したい」。帝国主義・日本の降伏に接した臨時政府の閣議は翌日帰国を決定した。「韓国占領の過程で米軍との連携を希望し、日本軍の武装解除や再編成で米軍を支援し、韓国の独立運動家が韓国問題で発言権を持つことを望む」。

8月14日、外務部長の趙素昂(チョ・ソアン)は駐中米国大使を通じて、臨時政府が帰国し、実質的に政府の役割を果たしたいという意思を米国に伝えた。しかし、10月17日、米国務省・陸軍省・海軍省の3省調整委員会(SWNCC)は連合国軍のマッカーサー総司令官に「個人としての帰国なら反対しない」という指針を下した。

「これに、本人は本人や同僚がいかなる公的位置ではなく、完全な個人として帰国の許可を受けたという点を十分熟知していると貴下に確信させたい。韓国入りすれば、我々が個人的かつ集団的に政府として、または民間や政治的能力を発揮する機関として活動することを期待しないという点を快く陳述する。我々の目的は韓国人に有利な秩序を樹立する上で米軍政と協力することになるだろう」。11月19日、金九は中国戦線米軍司令官を務めたウェデマイヤー将軍に「個人としての帰国」を約束する誓約書を提出した。米軍政は翌日、帰国の途についた閣僚ら29人全員が搭乗できない15人乗りの軽飛行機「C47」1機を中国・上海へ送った。11月23日、金九主席をはじめとする第1陣が金浦(キムポ)飛行場に降りた。

しかし彼らとともに太極旗(テグッキ、注:韓国の国旗)を振るために出迎えた人々は飛行場のどこにもいなかった。その日、この地の人々は臨時政府の要人の帰国を誰も知ることができなかった。光復は祝福ではなく、分断と「同族相残」の災難を知らせる前奏曲だった。



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