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IT(情報技術)強国の地位が揺れている。 産業競争力は次第に低下し、新しい成長エンジンは作動する兆しが見えない。 IT製造業は肥大化したが、肝心な高付加価値分野のサービスとソフトウェア市場は弱い。 これでは韓国経済を支える柱が揺れるおそれがある。
◇IT産業競争力が低下
まず韓国IT産業の現実から見てみよう。 最近、英エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は韓国IT産業競争力が07年の3位から昨年は8位、今年は16位に落ちた、と発表した。 世界経済フォーラム(WEF)調査では昨年の9位から今年は11位に低下した。
グローバルIT企業のノキア・シーメンス・ネットワークスが世界的なコンサルティング会社LECGとロンドンビジネススクールに依頼し、最近発表した資料によると、情報通信技術(ICT)が経済発展と生産性に寄与する程度を測定した調査で、韓国は調査対象先進国25カ国のうち18位にとどまった。 10月末、日本総務省は「先進国ITインフラ調査で日本が韓国を抜いて1位になった」と発表した。
これが現実だが、特に驚くようなことはない。 国内でもずっと警告が出ていたからだ。 李錫采(イ・ソクチェ)KT(旧韓国通信)会長は4月の講演で、「国内IT産業は新しい成長エンジンがなく、停滞している。もうIT強国ではない」と一喝した。 黄昌圭(ファン・チャンギュ)三星(サムスン)電子相談役は9月のソウル大特講で「IT産業の成長率がずっと下降傾向にある」と警告した。
政府もこうした雰囲気をよく知っている。 「ITコリア5大未来戦略」が発表された9月の大統領直属未来企画委員会報告会で、李明博(イ・ミョンバク)大統領は「大韓民国の永遠の力、IT」と書かれた懸垂幕を見て、「最近ITの勢いが弱まっているためこうした言葉が出てきたようだ」と述べた。 行事に参加したある国策研究院の関係者は「久しぶりにIT産業に関する総合戦略が発表される席だったが、雰囲気はよくなかった」と語った。
ITは依然として韓国経済の柱だ。 IT産業はGDPの24%、輸出の3分の1を占めている。 韓国が昨年130億ドルの貿易赤字を記録した時もIT分野は600億ドルの黒字だった。 10月のIT貿易収支は64億ドルの黒字を記録した。
韓国が「IT強国」だって?(2)
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