オバマ米大統領が今日、韓国を訪問する。今回の韓米首脳会談では北朝鮮の核問題など両国の諸懸案が協議される。そのうち07年6月に締結して以来、2年5カ月間も眠っている韓米自由貿易協定(FTA)が発効につながる重要なきっかけになるものと期待している。今年1月の就任後、依然として国民から高い支持を受けている多数党の民主党を背景に、オバマ大統領が韓米FTAの批准を強力に要請する場合、議会の批准が可能なものと判断されるからだ。
これまで米国内でFTAなど通商関連懸案は最大の政治懸案である医療保険改革法案やアフガニスタン派兵問題により、後回しにされてきたのが事実だ。しかし最近、医療改革法案が下院で可決し、オバマ大統領の政治的スタンスもより拡大された。FTAなど通商関連懸案を進める余裕もできたと評価されている。また、米議会や業界内でも韓米FTAの批准に向けた友好的なムードが作られつつある。
下院のウォリー・ハーガー議員(共和党)は韓・欧州連合(EU)のFTAが韓米FTAより先に発効した場合、米国の韓国への輸出が8%以上減るという分析をもとに、韓米FTAの批准に圧力を加えている。民主党内でもアダム・スミス下院議員が民主党と共和党の議員ら88人から署名を受け、韓米FTAの批准を求める書簡をホワイトハウスに提出したこともある。また米通商代表部(USTR)が今年7月から9月まで企業161社を対象に韓米FTAについての意見を調べたところ、73.9%が「積極的に支持」を表明した。
このように米国内で韓米FTAの早期発効に向けた動きが本格化した最も大きな理由は、韓国がアジア地域の「FTAハブ」に急浮上したからだ。特に韓・EUのFTAが発効する場合、アジア市場が「親欧州化」して米企業の競争力が弱まり、同市場が米製品に背を向けるかもしれない、という危機感が大きく働いた。韓国の立場からもFTAが急がれるのは同じだ。最近政府がまとめた集計資料を見てみると、08年以降、国内景気が低迷し、韓国経済の貿易への依存度は90%以上に達した。これは貿易が経済を活性化できる最も重要な手段であるという点を力説する。
よって、韓国企業にとって最大の戦略市場である米国とのFTAは、貿易を通じた韓国経済の活性化で、起爆剤の役割を果たすことが自明だ。韓米FTAの最も直接的な効果は「関税撤廃」にある。米国が課している産業別の平均関税率は4.9%で、FTAが発効される場合、それだけ価格競争力の向上につながる効果がある。また▽反ダンピング(不当廉売)の規制緩和▽通関手続きの簡素化--など米国の「非関税障壁」を緩和し、韓国企業が米市場に参入する際の苦情の解消にも大きく寄与するだろう。
最近、米国が景気浮揚策を施行して注目を集めている1兆5000億ドル(約130兆円)にのぼる政府調達市場への制限も、FTAにより緩和され、大半の調達市場が国内企業に開放される。こうしたFTAの効果は最近の対米輸出統計を見てみると、より大きな意味をもつ。米国の景気低迷で、今年に入り対米輸出が20%以上も減少しているが、自動車・家電製品など韓国の主力輸出品の米シェアはむしろ増加している。
これは韓国企業が、不況期に米市場が再編される過程で、消費者の購買パターンの変化を適切に攻略したことによるものだ。韓米FTAが早期に発効し、若干の価格競争力と非価格競争力だけ向上されれば、こうしたシェアの増加は米景気が回復した場合、より大幅な輸出増加につながり得る。米経済が回復の入口へ向かいつつある。経済危機で変化した米市場は新たな機会を提供しており、韓米FTAはこうした機会を先取りできる秘策だ。今回の首脳会談をきっかけに韓米FTA批准の協議が本格化し、早期発効につながることを期待したい。
ホン・スンヨンKOTRA北米地域本部長
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これまで米国内でFTAなど通商関連懸案は最大の政治懸案である医療保険改革法案やアフガニスタン派兵問題により、後回しにされてきたのが事実だ。しかし最近、医療改革法案が下院で可決し、オバマ大統領の政治的スタンスもより拡大された。FTAなど通商関連懸案を進める余裕もできたと評価されている。また、米議会や業界内でも韓米FTAの批准に向けた友好的なムードが作られつつある。
下院のウォリー・ハーガー議員(共和党)は韓・欧州連合(EU)のFTAが韓米FTAより先に発効した場合、米国の韓国への輸出が8%以上減るという分析をもとに、韓米FTAの批准に圧力を加えている。民主党内でもアダム・スミス下院議員が民主党と共和党の議員ら88人から署名を受け、韓米FTAの批准を求める書簡をホワイトハウスに提出したこともある。また米通商代表部(USTR)が今年7月から9月まで企業161社を対象に韓米FTAについての意見を調べたところ、73.9%が「積極的に支持」を表明した。
このように米国内で韓米FTAの早期発効に向けた動きが本格化した最も大きな理由は、韓国がアジア地域の「FTAハブ」に急浮上したからだ。特に韓・EUのFTAが発効する場合、アジア市場が「親欧州化」して米企業の競争力が弱まり、同市場が米製品に背を向けるかもしれない、という危機感が大きく働いた。韓国の立場からもFTAが急がれるのは同じだ。最近政府がまとめた集計資料を見てみると、08年以降、国内景気が低迷し、韓国経済の貿易への依存度は90%以上に達した。これは貿易が経済を活性化できる最も重要な手段であるという点を力説する。
よって、韓国企業にとって最大の戦略市場である米国とのFTAは、貿易を通じた韓国経済の活性化で、起爆剤の役割を果たすことが自明だ。韓米FTAの最も直接的な効果は「関税撤廃」にある。米国が課している産業別の平均関税率は4.9%で、FTAが発効される場合、それだけ価格競争力の向上につながる効果がある。また▽反ダンピング(不当廉売)の規制緩和▽通関手続きの簡素化--など米国の「非関税障壁」を緩和し、韓国企業が米市場に参入する際の苦情の解消にも大きく寄与するだろう。
最近、米国が景気浮揚策を施行して注目を集めている1兆5000億ドル(約130兆円)にのぼる政府調達市場への制限も、FTAにより緩和され、大半の調達市場が国内企業に開放される。こうしたFTAの効果は最近の対米輸出統計を見てみると、より大きな意味をもつ。米国の景気低迷で、今年に入り対米輸出が20%以上も減少しているが、自動車・家電製品など韓国の主力輸出品の米シェアはむしろ増加している。
これは韓国企業が、不況期に米市場が再編される過程で、消費者の購買パターンの変化を適切に攻略したことによるものだ。韓米FTAが早期に発効し、若干の価格競争力と非価格競争力だけ向上されれば、こうしたシェアの増加は米景気が回復した場合、より大幅な輸出増加につながり得る。米経済が回復の入口へ向かいつつある。経済危機で変化した米市場は新たな機会を提供しており、韓米FTAはこうした機会を先取りできる秘策だ。今回の首脳会談をきっかけに韓米FTA批准の協議が本格化し、早期発効につながることを期待したい。
ホン・スンヨンKOTRA北米地域本部長
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