暁星(ヒョソン)グループがハイニックス半導体買収から手を引いた。今年初めにハンファグループが大宇(デウ)造船買収を放棄し、錦湖(クムホ)アシアナは大宇建設を買収したがまた手放した。公的資金が投入された企業が新しい主人探しに相次いで失敗しているものだ。無理な売却と市中に広まった特恵疑惑、買収企業の資金調達問題などが複合的に作用した結果だ。それでも債権銀行と資産管理公社は年内の再売却を急いでいる。売却代金が数兆ウォン台の大宇造船、ハイニックス、大宇建設、現代(ヒョンデ)建設などの大企業だけでなく、大宇エレクトロニクス、双竜(サンヨン)建設など数千億ウォン台の買収合併(M&A)物件も売却作業が停滞している。
経済危機を脱したばかりの市場状況でこうした売却物件の洪水をまともに消化するのは難しい。大企業は内部を固めるのに集中し関心を見せておらず、中堅グループは無理な借入を通じた買収に乗り出して「勝者の呪い」にはまった。大企業は背を向け、中堅グループでは手に余る。債権銀行が海外売却の誘惑を感じるのもこのためだ。しかし世界のM&A市場にはチャイナマネーとオイルマネーばかりがあふれているのが現実だ。先端技術の海外流出はすでに双竜自動車のケースからも証明されている。適正な代金を受け取ることに劣らず力を入れなくてはならないのは、国家経済と産業に及ぼす影響だ。
政府と債権銀行が売却を急ぐ理由は十分に理解できる。債権銀行は収益性と財務健全性が良くなり、政府は公的資金回収を通じて財政赤字負担を軽減できる。しかしハイニックス、大宇造船、大宇建設で見たように、市場状況を考慮しない無理な売却は失敗を繰り返している。さらに造船・建設業は低迷に陥っており、半導体産業はようやくチキンゲームに勝利した状況だ。いまは売却を急ぐより、政府が「市場調節」に乗り出すべきときだと考える。売却主体が産業銀行、資産管理公社、政策金融公社であるだけに、事前の交通整理を通じた順調な売却が重要だ。市場のショックを和らげるため買収条件の緩和と段階的売却も検討する必要があるだろう。いつになく急ぐときほど遠回りをする知恵が切実な時期だ。
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