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コンゴのゴリラはどうして携帯電話が嫌いなのか。謎を解くヒントはコンゴ民主共和国東部で生産されるコルタンという鉱物にある。コルタンからはタンタルが抽出され、携帯電話には電流の流れを制御するタンタル素材部品が使われている。携帯電話をたくさん作るほどタンタル消費も乗じて増える。問題はタンタルの生産量が非常に少なく、生産地域が偏重された“希少金属”(レアメタル)だということだ。コンゴ東部にコルタンが埋蔵されていることが明らかにされ、人々はゴリラの生息地を燃やして土中をほじくったのだ。
タンタル部品は電子機器にほとんど使われるようになる。コンゴと周辺8カ国がもつれた「アフリカ版世界大戦」はたびたび「プレイステーション(PS)戦争」と呼ばれる。2000年春、ゲーム機PS2を発表したソニーは、その年のクリスマスには製品供給がまともにできなかった。タンタル不足のためだった。1パウンド(約454グラム)当たり50ドルを下回ったタンタル価格は2001年の初め、275ドルまで上がった。あらゆる口実で内戦に介入した外国軍隊はお金になるコルタンに目をつけて、コンゴを離れないようにした。ゲーム機の人気がアフリカ奥地の戦争をけしかけたわけだ。
戦略物資である希少金属は情報戦の対象にもなった。チタンがそうだった。米国軍需会社ロッキード・マーティンはSR-71という超音速偵察機を開発し、機体の素材をチタンに決めた。音速3倍で飛行するとき、表面に発生する高熱に耐える金属だからだ。しかし純度の低い米国産は使うことができなかった。結局、中央情報局(CIA)の助けを借りて品質が良い敵国ソ連のチタンを大量購入して使った。このようなチタンの使い道はソ連の科学者の公式を借りてステルス機を開発したという事実とともに、愚かなソ連が絶対知ってはいけない冷戦時代最高の機密だった。
中国は「産業ビタミン」として脚光を浴びる希少金属の武器化を早々に予告した。1992年改革・開放設計士の鄧小平は「中東に石油があるのなら中国には希土類(レアアース)がある」と壮語した。中国は最近、稀土類を含む希少金属を戦略物質に規定し、輸出を厳格に統制している。
「愚かな国」が消え、30種の希少金属は資源武器に変わっている。対策用意が急がれるが、韓国には正確な需要と供給統計さえない。政府が遅ばせながら確保・備蓄・リサイクルなど3段階対策を出すという。希少でより斬新な希少金属対策を期待する。
ホ・グィシク経済部次長
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