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【その時の今日】高い社会的代価を支払った「金・大平メモ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版



1962年11月12日、金鍾泌(キム・ジョンピル)中央情報部長が日本の大平正芳外相と会談し、いわゆる「請求権資金」の規模について合意、両国首脳部に建議することを決めた「金・大平メモ」が作成された。早期に韓日協定を締めくくるため、最も重要な争点だった請求権資金の金額を密室で合意したのだ。金鍾泌部長は会談の直後「合意した事実はなく、争点について討議をしただけ」と明らかにした。

日本の毎日新聞が無償3億ドル、有償借款2億5000万ドルで合意が形成されたと報道したが、韓国政府は最終決定が形成されるまで合意を極秘とし、韓日会談首席代表にも知らせないという内容の訓令を12月1日に出した。


64年初め、野党と学生が国民の要求を反映せずに密室で拙速処理したという批判を提起、政府は同年3月31日、中央庁会議室で11大学の学生代表に金鍾泌と大平が合意した内容を公開した。しかし当時公開されたものには、合意の内容はなく、韓国側と日本側が提示した金額だけが書かれていた。

米国大使館が「朴正煕(パク・ジョンヒ)政権が韓日協定反対運動のため崩壊する可能性もある」と評価するほど急激に悪化した状況だったため、メモの内容は公開されたが、すべての内容ではなかったため疑惑はさらに深まり、これは結局6・3事態(韓日会談反対闘争)を招くきっかけとなった。

2005年1月、韓国政府はベールに包まれていた「金・大平メモ」を電撃公開した。無償3億ドル、有償借款2億ドルで合意し、首脳部に建議するという内容だった。これは64年に政府が公開した時はなかったことだった。メモの内容は62年10月17日と11月4、8日に朴正煕議長が指示した、という事実も明らかになった。

関連文書は公開されたが、問題になっていた点は解決しなかった。「金・大平メモ」に基づく韓日協定は45年以前の韓日間の協約、個人に対する被害補償、独島(ドクト、日本名・竹島)問題など基本問題を解決できず、結局、今でも韓日関係発展の足かせとなっている。

さらに重要な教訓は、国家的な問題を透明に処理しなかったことで、より広範囲な大衆的抵抗という社会的費用を支払わなければならなかったという事実だ。韓日協定以後も、南北首脳会談過程での対北送金特検、韓米間牛肉交渉問題による08年ろうそくデモなどは、透明性がどれほど重要な問題であるかを示している。



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